京急本線、都営新宿線が評価されるようになった理由
そうしたなか、「発展する駅」のベスト200のランキングで山本氏が「時代の変化」を感じる特徴として見て取ったのが、上位に京急本線の青物横丁(6位)、鮫洲(7位)、泉岳寺(15位)、都営新宿線の浜町(11位)、菊川(26位)、森下(28位)などが入っていることだという。
「従来のトレンドでは、京急本線や都営新宿線は、周辺のJR線や他の大手私鉄線に比べて不動産価格が安い傾向にありました。たとえば、品川から蒲田方面のエリアで考えると、京急線の近くに住むかJR京浜東北線の近くに住むかでは、利便性は大差ないにもかかわらず、圧倒的に京浜東北線沿線の方が不動産価格は高くなります。都営新宿線も同様で、ほぼ真上を走るJR総武線と比較すると、利便性は変わらないのに総武線沿線の駅の方が人気です。
しかし、今回ランクインした駅はそうした傾向が薄かった。JR沿線が高騰しすぎていることが原因だと考えられます。10年前の相場であればJR京浜東北線や総武線沿線でローンを組んで住まいを購入できていた共働き世帯などが、都心部全体の不動産価格上昇によって、もはやそのエリアには手が届かなくなってきています。結果、『都心へのアクセスが同等なら、少しでも安い路線の近くを選んだ方が良い』という理由から京急線や都営新宿線を選ぶ人が増えているのでしょう。これらの路線は今後も上位に入ってくる可能性があると思います」
* * *
マネーポストWEBの関連記事《【東京都「10年後に不動産価格が上がる駅・下がる駅」ランキング】ベスト1~100位は「勝どき」「豊洲」ほか湾岸エリア、「護国寺」ほか副都心エリアへ乗り換えなし駅が上位に》、《【東京都「10年後に不動産価格が上がる駅・下がる駅」ランキング】ベスト101~200位には「西ヶ原四丁目」「荏原町」ほか“最寄り以外”も使える駅、「武蔵小山」ほか再開発完了の駅がランクイン》では、東京都の「発展する駅」ベスト200に加え、「衰退する駅」ワースト200まで含めた全貌を紹介している。