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キャリア
総合型選抜に潜む教育格差

推薦入試は「首都圏の高所得層」が有利な入試なのか? 実は地方の高校生にメリットがある総合型選抜 情報格差の縮小も追い風に

首都圏と地方の情報格差は縮まる傾向に

 現状、難関大学の総合型選抜でも首都圏出身者が合格者の中でシェアが大きいが、これは情報格差でしかない。

 首都圏の学生は「早稲田塾」「洋々」といった老舗の推薦塾に通えるので、情報を得やすい。都内のある名門私立中高一貫校の高校3年のうち、何十人もが老舗の推薦塾に通っているという。

 しかし、老舗の推薦塾もオンライン対応をしているし、志望理由書の書き方や小論文対策の優れた市販本も発売されている。私も4月に『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』という本を出し、初心者にも推薦入試の実態が分かるように書いた。地方に住んでいても正しい情報も得られるようになってきている。

 一方で、地方の高校生や保護者をターゲットにする新興のオンライン推薦対策の業者も増えており、そういった塾への苦情が私のもとに寄せられている。また、老舗塾の話を聞いていると「オンライン塾に入ったがまったく指導がしてもらえなかったから、こちらに入り直した」という生徒たちが増えているという。推薦対策には情報の面で地方の高校生はまだ不利である部分はあるかもしれない。しかし、今後はそういった情報格差がなくなり、より公平な入試に近づいていくのではないか。

■第1回記事:《総合型選抜に潜む教育格差》コロナ禍で露見した「アメリカの大学入試」の真実 学力試験がない状態で低所得層の合格者が急伸したことの意味

杉浦由美子氏の著書『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)

杉浦由美子氏の著書『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)

【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/受験ジャーナリスト。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『大学受験 活動実績がゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)が2025年4月に発売。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)で連載をし、『週刊東洋経済』『週刊ダイヤモンド』で記事を書いている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも日々更新中。

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