いつの間にかハマってしまうのはなぜなのか(イメージ)
タイパ(タイムパフォーマンス)が重視されるようになった昨今、“中国発のショートドラマ”が日本のユーザーにも注目され始めている。スマホアプリ向けで1話が1~2分程度、全60~90話で完結するコンテンツで、通勤・通学などの移動時間や家事の最中など、“ながら視聴”向けに特化しており、短時間でストーリーが展開していくスピード感が特徴だ。日本のユーザーにどう浸透しているのか、ユーザーの声からその背景を探った。
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短時間で話が進む、頭を使わずに理解できる内容
そもそも中国ショートドラマとはどのようなコンテンツなのか。日本の大学院でSNSの研究をしている中国人留学生の女性・Aさん(24歳)は、中国ショートドラマが流行している背景をこう説明する。
「中国ではタイパ文化が非常に浸透しています。効率性や短時間で成果を出すことへの関心が高まっていて、日本と同様に要約動画が非常に人気です。1冊の本、1本の映画を30秒~1分で理解する、といった動画もたくさん存在しますし、受験競争が激しい中国の若者たちには勉強系ショート動画や、“耳から学ぶ”速読コンテンツ、ポッドキャストも当たり前になっています。
そんな仕事や勉強で忙しい中国人にとって、ショートドラマは最適な娯楽。ReelShort、DramaBox、ShortMaxなど複数のアプリが人気化しています。スマホで縦型のまま見られる、短時間で話が進む、くわえて、頭を使わずに楽しめる単純な構図のストーリーが特徴。“財閥の恋愛ドラマ”“大金持ちで意地悪な女に、貧乏だけど心優しい女が復讐する”“億万長者が身分を隠して貧しい男のふりをしている”とか、そんなファンタジックな話が多いです(笑)」(Aさん)
なぜこうしたショートドラマが、日本のユーザーにまで普及しているのか。Aさんは、「スマホ広告の影響が大きいのでは」と分析する。
「多くの人は広告経由でハマっているようですね。中国のショートドラマアプリは、ユーザーが好みそうなドラマの広告を、さまざまなSNSや動画サイト、無料ゲーム経由で大量にレコメンドしています。なので、ついつい続きのストーリーが気になり、アプリをダウンロードしてしまうのでしょう。
日本版のTikTokでもショート動画の広告がたくさん出てくると思いますが、広告で1話の途中までを見せて、そこからアプリに誘導するケースが一般的です。日本語字幕付きのものや、吹き替え版もあるので、日本人も違和感なく楽しめます。ちなみに、ドラマに出演する俳優さんは演劇系の学校を卒業したアマチュアレベルが多く、演技はあまり上手くないです。しかし、最近ではショートドラマから人気に火がついて、スターになる俳優さんもいますよ」(Aさん)