中国ショートドラマを展開する「Reelshort」アプリのDL画面(Getty Images)
ドロドロの恋愛復讐系ドラマの広告がきっかけで
実際に中国のショートドラマに夢中だと語る、関西在住のエステティシャンの女性・Bさん(50代)も、広告経由でアプリをダウンロードしたことから“沼”にハマった。
「見始めるようになったのは、TikTokやInstagram、あとはYouTubeショートなどの広告がきっかけですね。あらゆるところで中国ショートドラマが流れるから、だんだん気になってきて(笑)。あるとき、サロンワークの休憩時間に、ドロドロの恋愛復讐系ドラマの広告が出てきたんです。はじめは『なんじゃこりゃ(笑)。中国のドラマ? 興味ないわ~』と思ったのですが、なんだか展開が気になってしまい、アプリをダウンロードしました。
正直、内容はくだらないのに、中毒性があるんです。それからは次々に中国ショートドラマのアプリを入れて、空き時間はこればっかり(笑)。1話から10話くらいは無料なんですけど、それ以降が課金制だったりするんですよ。1日待てば無料で1話見られるケースもあるんですが、気になって結局は課金しちゃう。
アプリ内でコインやアイテムなどのを購入するものが多いですね。だいたい10話で300円くらいかな? なかにはまとめ買いプランもあって、30話2000円で見られたりするので、もういくら課金したか忘れましたね」(Bさん)
TikTok経由でZ世代の女子にも浸透中
日本の若い世代にも、中国ショートドラマは浸透しつつあるようだ。都内の大学に通う女性・Cさん(21歳)は、日本のドラマにはない独自の魅力があると語る。
「はじめはTikTok経由で知って、そこからハマりました。『#中国ドラマ』とかで大量に出てくるんです。私にとっての魅力は、通学中や授業のスキマ時間にちょうど良いこと。1話が数分で終わるので、昼休みとかも何話か見られますし。内容も日本のドラマではあり得ないような、大げさなストーリーや激しいキャラクターが多く、マンガを読んでいる感覚に近いですね。
見始めたら止まらなくて、気づけば寝不足です。ある時からセリフを覚えてしまって、せっかくだから独学で中国語の勉強なんかも始めました(笑)。もともとK-POPアイドルの中国人メンバーが好きなこともあり、中国文化には違和感はなかったですね。最近では大学の友達にも“布教”しています」(Cさん)
日本ではまだ注目されはじめた段階の中国ショートドラマ。タイパ重視の風潮とSNSによる拡散性、そして中毒性の高いストーリーで、次第にファンを増やしつつあるようだ。