金鉱株で億り人に
その後、大学を卒業し、研修医となった時に目をつけたのが、金の採掘会社、いわゆる金鉱株だ。
「当時のゴールドの価格は300ドル(=1トロイオンス)ほどで、採掘コストは500ドル。掘れば掘るほど赤字になる。このような採算の合わない事業を続ければ倒産しかねない。でも、金の価値さえ上昇すれば、金を採掘する会社の株価も急騰するだろうと考えました。
そこで買ったのがオーストラリアの金鉱株。実際に倒産寸前で、株価も地に落ちていました。ちなみに、当時の日本株だと住友金属鉱山くらいしか選択肢がなく、保有する鉱山の規模も小さいので、魅力的には映らなかった」
当時24歳のたーちゃんさんは、バイトなどで稼いだ全財産600万円を集中投資。研修医として多忙な日々を送るなか、短期的な売買は諦め、長期保有で寝かしたまま値上がりを待つという投資法は現実的な選択でもあった。そして、金鉱株は狙い通りに上昇し、医者として独り立ちをしたころ、資産は1億円近くまで膨れ上がっていた。
「当時購入していたオーストラリアの株は、いわゆるボロ株。1株6セントほどで買っていました。それが17倍くらいになったときに利益確定し、1億円くらいになりました。キリのいいところまで伸びましたし、オーストラリアの鉱山が活気づいて現場で働く人の給料も高くなり、トラックの運転手さんの年収が当時で1500万円ほどと聞いたので、もうそろそろいいかなと売ったんです。
でも、そこから更に上昇していき、後に1株6ドルになっているのを確認しました。結局、100倍近くになったわけです(苦笑)。そこまでいくとは思っていませんでしたが、頭のなかで思い描いた企業の成長ストーリーがズバリとハマった経験ですね」