2019年時点では“ダメな投資家”だったと振り返る(同氏のXより)
個人投資家の中には、短期で資産を増やすことに成功した人もいるが、どのように実現しているのか。
「大学1年生だった2003年に奨学金60万円を元手に株式投資を始めましたが、テーマ株、IT銘柄、大型株のどれもうまくいかず、失敗続きでした。リーマン・ショックなどの大暴落にも翻弄されて何度も損失を出し、アベノミクス相場にも乗ることができず、ずっと自信を失っていました」
そう振り返るのは、今や運用資産6億円超に上る「テンバガー投資家X」氏だ。社会人になってからも月8万円の小遣いを原資に日本株投資を続け、100万円程度の利益を得た売買もあったものの、2019年まではほぼ毎年、トータルで損失を出していたと打ち明ける。そこから“億り人”となる転機についてこう話す。
「“ダメな投資家”だった私が2019年時点の運用資産561万円を5年で100倍超となる6億円以上まで増やせたのは、『IPO(新規公開株)セカンダリー投資』と呼ばれる投資手法に出会ったことがきっかけです。上場して初値をつけた後の銘柄のセカンダリー(二次流通)狙いで、株価が3~5倍程度になりそうな銘柄に的を絞る手法を取り入れたところ、2020年からパフォーマンスが大きく向上しました」
本業を持ちながら、3人の子育てで多忙ななか運用資産を順調に増やし、2024年には億の大台に。そして2025年7月には約6億1500万円に達した。成長が続く限り保有するスタンスで、不動産関連株のアズーム(東証プライム・3496)は18倍株となっている。
2024年に『トイレスマホで「無限10倍株」3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)を上梓した同氏は、「手間をかけずテンバガー(10倍株)を含む2倍以上になる銘柄を探すには、IPO銘柄に狙いを絞るといい」と強調する。
IPOは未上場企業が証券取引所に上場し、株式を投資家に売り出すことを指す。上場のタイミングで株式を買う手法をIPO投資と呼ぶが、IPOセカンダリー投資は何が異なるのか。関連記事《【今年上場の大化け期待銘柄6選】テンバガー投資家X氏が明かす「5年で561万円を6億円超に増やした」投資方法と厳選最新注目銘柄》では、テンバガー投資家X氏が実践するIPOセカンダリー投資の手法を解説するとともに、同氏が厳選した今年上場の大化け期待銘柄6を紹介している。
※週刊ポスト2025年8月8日号