安青錦(右)のタオルがいち早く売り切れに(左は館内の売店)
波乱の展開で売店グッズの在庫管理も困難を極めているようだ──。新会場のIGアリーナで開催されている大相撲名古屋場所。4年ぶりに東西の横綱が揃ったが、豊昇龍が3日連続で金星を与えたことで5日目から休場。ひとり横綱となった大の里は13日目に東前頭13枚目の琴勝峰に敗れて4敗となり、優勝戦線から脱落した。新横綱場所での金星配給4個のワースト記録(昭和以降)を更新する事態に。波乱の展開の影響は様々なところに及んでいるようだ。
今場所は2横綱だけでなく、ひとり大関の琴櫻は勝ち越すのが精一杯の状態。大関候補として場所に臨んだ関脇の霧島と若隆景、小結の欧勝馬と高安も次々と脱落していった。優勝争いには安青錦、琴勝峰、草野と平幕力士ばかりが千秋楽まで残った。平幕優勝が続いたここ2、3年の番付崩壊が戻ってきた形だ。
その影響は、新会場1階にあるサブアリーナに設けられた「親方売店すも~る」に置かれた相撲協会オリジナルグッズにも及んでいる。人気力士の四股名が入った応援タオルや応援うちわなどが並んでおり、十両の取組が始まるまでは若い親方衆が担当するレジに長蛇の列ができる人気コーナーである。
なかでも人気なのが応援タオルだ。カラフルなデザインの「のぼり風力士タオル」(税込1500円)と四股名だけが書かれた「応援タオル」(同750円)の2種類あり、多くのファンが手にするのは前者。場所が始まった当初は新横綱の大の里が大人気で、4日目の午前中に品切れとなった。売店担当者は「大の里関は他の力士の何倍もの量を仕入れていたのだが、慌てて追加注文を入れました」と新横綱人気に驚いていた。