地域内に頼れる人間関係を築くことも大切(イメージ)
家族に先立たれた先には、“老後のひとり暮らし”が待っている。ひとりなら気が楽だ……なんて思うかもしれないが、ひとり暮らしでは人間関係にも落とし穴がたくさんある。妻に先立たれた男性の集いである「没イチ会」を主宰するシニア生活文化研究所代表理事小谷みどり氏はこう語る。
「人との関係がなくなると食事や身の回りのことにも気が回らなくなり、引きこもりがちになる負の連鎖で孤独死のリスクが増します」(小谷氏)
ひとりになった時、子供や孫を頼るケースは多いが、これは避けるべきだと小谷氏は言う。
「現代は昔のように子供が親の面倒を看る時代ではありません。長く一緒に暮らしていなかった子供と同居するとなれば、生活リズムの違いもあり、お互いストレスの原因になる。大切なのは身内よりも近所です。地域内に頼れる人間関係を築くことが老後ひとり暮らしの最大のセーフティネットになります」
その土台となるのは好奇心だ。
「経験上、好奇心の強い人はひとりでも幸せに暮らしています。興味のアンテナを立てておくと全然違います。そのためにも新聞は取っておいたほうがいい。気になるテーマを見つけたら、地域のサークルや公民館の講座に入ってみる。自治体の生涯学習センターなどは4月か10月スタートが多いので、そのタイミングで入るとみんな『はじめまして』なので気兼ねなくスタートできます。
注意点は英会話のように初級、中級、上級とクラスが分かれている講座です。中級以上は初級から積み上げた人がグループを作っているケースが多いので、実力に関係なく初級を選ぶようにしましょう」(同前)
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※週刊ポスト2025年8月8日号