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「子育ては終わったはずなのに…」孫育てに疲弊する祖父母世代の嘆き “孫のために”という義務感がストレスに

どれだけ孫がかわいくても適切な距離感が大切(イメージ)

どれだけ孫がかわいくても適切な距離感が大切(イメージ)

 子供や孫に頼りにされるのはうれしいが、「ばあばとじいじの支援ありき」となれば話は変わってくる──。昨今、孫の生活費や教育費を負担する祖父母世帯が増えているという。それによって金銭面で老後資産のリスクが高まるケースもあるが、それだけではなく、体力面や精神面にも限界がくる。

 平日は小学生の孫3人の面倒をみているという女性・Aさん(70才)が言う。

「娘夫婦は自営業で、どちらも仕事が終わるのが毎日夜の10時頃。孫は学校が終わるとうちに来て、夜まで過ごしています。一度、“学童保育に預けては?”と提案しましたが、“そんなのかわいそう”と言われ、たしかに周りも孫育てにかかわっている友人が多く“私は面倒みたくない”“孫育てに疲れている”とはとても口に出せなくて。おやつを食べさせ、時には夕食も準備するので体力が持たない。

 小学生ともなれば何か注意しようものなら生意気な言葉で反抗され、もう子育ては終わったはずなのにと途方に暮れています」

 パートで働く女性・Bさん(58才)の場合、事態はさらに深刻だ。半年前に35才の長女が小学生の男の子2人を連れて離婚。長女の収入だけでは暮らしが成り立たず、元夫の養育費も微々たるもので同居を余儀なくされた。

「一気に同居人が3人も増えたので私はパートを増やし、夫は非正規社員で働きながら夜間のアルバイトも始めました。疲れた体で帰宅した後に待っているのは、孫2人の相手。自由になる時間は1日1~2時間くらいしかない。最初こそ生活に張り合いも出るなんて思っていましたが夫とふたり、身体的にも精神的にも限界を迎えています」

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