史上最多の13人の日本人選手が参戦
日本の事情はどうか。JLPGAの4大メジャーのひとつで女子ゴルファー日本一を決める「日本女子オープンゴルフ」はJGA(日本ゴルフ協会)が主催し、NECや久光製薬などのJGAスポンサーが協賛しているが、タイトルスポンサーはいない。もうひとつの女子プロ日本一を決めるメジャー「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」はJLPGAが主催し、昨年からソニーグループがタイトルスポンサーとなっている。
「もちろん、レギュラーツアーの優勝賞金1800万~2000万円よりメジャー大会の優勝賞金のほうが高額だが、同じメジャーでもタイトルスポンサーの有無で優勝賞金が異なる。タイトルスポンサーがいない『日本女子オープン』は優勝賞金3000万円(賞金総額1億5000万円)で、優勝者の配分率は20%。ソニーがタイトルスポンサーをする『日本女子プロ』の配分率は18%だが、優勝賞金は3600万円(賞金総額2億円)と高くなる。外資系の企業がタイトルスポンサーにならない限り、急激な右肩上がりにはならないのではないか」(前出・スポーツ紙の担当デスク)
今年はLPGAが75周年の節目ということで、賞金総額がツアー史上最高額の1億3100万ドル(約185億円)で開催されている。じつに国内ツアー(44億円)の4.2倍の規模だ。賞金額の増加に呼応するかのように、日本人選手も増え、昨季まで米女子ツアー主戦場として戦っていた8人に加え、5人が新たに戦いの場に選び、史上最多の13選手が参戦している。
「この2年間で日本勢のメジャー優勝は4人となる。今年の『AIG全英女子オープン』では優勝した山下に続き、2位タイに勝みなみ、4位タイに竹田麗央とベスト5までに3人が食い込んだ。賞金ランキングでも山下が3位、竹田が4位、西郷が6位と実力面では、もはや日米の格差はなくなったといえる」(ゴルフジャーナリスト)
JLPGAの賞金ランク1位は佐久間朱莉で1億2697万円(3勝)。LPGAでは32位前後に該当する。日米マネー格差が改善されない限り、女子ツアーへの日本人選手の流出はこの先も避けられそうにないのではないか。
なお、ゴルフの賞金と税金の関係などについては、関連記事『スポーツ選手と税金・経費の複雑すぎる線引き 「ゴルフは副賞にも税金」「相撲界で狙われた二子山部屋」』で詳細に解説している。