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投資

《いまお宝株はスタンダード市場に眠っている!》資産4億円超の億り人・ヘム氏が分析する東証改革の株式市場への影響「残り59%の企業が株主還元に動き出す」

開示に応じていない企業が“陥落”していく

 東証は改革を進めるために2022年から「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」を定期的に開催しており、今年7月9日に開催された第22回の会議では「スタンダード市場の今後の方向性」という議題が初めて加わった。

 その議事録を見ると、〈スタンダード市場における「資本コストや株価を意識した経営」の開示率は低い水準にある〉〈今後、開示率の向上や取り組みの強化を検討していく必要もあるのではないか〉〈スタンダード市場は、少数株主保護や情報開示など、上場会社として最低限求められることもやっていない疑いがあり、最低限守るべき責務を改めて明確化する必要がある〉など、スタンダード市場に対する厳しめの見解が記されている。ここに来て、東証もスタンダード市場のことをより強く問題視するようになったということだ。

「東証の号令に従わず、プライム市場に比べて対応が鈍いスタンダード市場を放っておくわけにはいかないということでしょう。今後は東証からスタンダード市場に対する“圧力”が強くなっていくと考えられる。そのことで、まだ開示に応じていない59%の企業も無視を続けるわけにはいかず、これからどんどん“陥落”して、開示をしていくと思います」

 開示をするということは、「資本コストや株価を意識した経営」に取り組む姿勢を見せなければならないということで、資本効率を改善したり、増配や自社株買いなどの株主還元を打ち出すことになるだろう。そうなると、株価やPBRも上がるため、株主も恩恵を受ける。

株主を軽視し続けてきた支配株主がいる企業

 東証が発表した資料には〈スタンダード市場においては、親会社・支配株主を有する企業も多い〉とも書かれている。「支配株主」には“創業者一族”も含まれ、スタンダード市場における支配株主を有する企業の割合は、プライム市場やグロース市場に比べて突出して多いというデータが示されている。

「私が銘柄分析をしていても、財務的に余裕があるにもかかわらず、株主還元に消極的で株価が割安に放置されている企業は、支配株主が存在するケースが目立ちます。たとえば創業者一族で株を51%押さえていれば、別に株主が何を言ってこようが関係ないので、『株主連中がうるさいこと言っとるなぁ』で済ますことができる。そのように、株主を軽視し続けてきた支配株主がいる企業がたくさんあるんです。

 しかし、そういった企業も東証の要請に応じるようになり、今年5月あたりから次々と株主還元の姿勢を打ち出すようになった。その流れが年末にかけてさらに本格化すると思っています。

 以上のような根拠から、私はスタンダード市場に上場している小型割安株に注目しています。まだ開示をしていなくてPBRが1倍を割れている企業、あるいは支配株主がいる企業というのは、東証からの圧力が強まることでこれからどんどん陥落していくことは間違いない。そこを狙って勝負をすれば、勝算は高くなると思います」

 そんなヘム氏がいま注目している銘柄はなにか。関連記事『京大卒の資産4億円投資家・ヘム氏が紹介する“とっておきの3銘柄” 明確なカタリストがあり「現実的な株価上昇が期待できる」と今が仕込みの絶好機』にて紹介している。

【PROFILE】
ヘム/京都大学卒業後、総合商社に入社。社会人1年目から投資を始め、投資歴は28年。30歳で独立・起業し、現在は2社を経営しながら、約400銘柄、投資時価4.6億円(2025年6月末時点)を運用している。「本当に価値のある会社に投資する」ことを信条とし、小型割安株や増配期待銘柄を中心にポートフォリオを構成している。独自の投資哲学や投資成績をXや書籍で積極的に発信。初心者にも分かりやすい解説と、再現性の高い投資手法が多くの支持を集めている。著書に『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』(KADOKAWA)などがある。

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