オバ記者こと野原広子さんは“撮る”より“乗る”方が好き(イラスト:イメージマート)
「乗り鉄」「撮り鉄」「模型鉄」など、鉄道ファンにはさまざまな分野があるが、それぞれでわかり合える点もあれば、そうではない点もあるようだ。体験取材を得意とする女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏が、“乗り鉄”の立場から、一部の“撮り鉄”に対する本音を明かす。
万博で万引きした自称・撮り鉄
「あんたら、なにやってんの!」
大阪・関西万博会場内の売店で大量にグッズを万引して大阪府警に逮捕された大学生らに、私はそう言ってやりたい。「いい若いもんがセコいことしてんじゃないって」と。
彼らは万博会場内でキャラクターグッズを大量に盗む前に、2つの罪を犯している。彼らの一部は「撮り鉄」を自称。東京駅から入場券だけで改札を通って新幹線に不正乗車。しかも、新大阪駅だと改札のチェックが厳しいから、新神戸駅まで行ってローカル線に乗り換え、そこも無賃乗車だったと自慢げに自白しているという。さらに、万博会場にも大人料金を払わずに12~17才が対象の「中人」のチケットで入場していたって。それで捕まったら「撮り鉄の無賃乗車は当たり前」と抜かしておる。
あのさ、私も鉄道マニアのケがあるから言うんだけど、たしかにマニアは度を越してナンボだよ。「ええ~、そこまでやるの?」と呆れられるのは最大の褒め言葉でもある。
「秋田、新潟、八戸を3日連続で日帰りしたって? バカじゃないの?」と言われると、「ほほほ、もっと言って!」と大喜びよ。どんだけマニアか、つまりどんだけバカかを人と競う傾向もあるしね。
でもさ。どんだけ罪を犯せるかの競争だけはしないって。
誰かが「こうやれば無賃乗車ができるんだよね」と提案したら、「そこまでよく思いつくものだ」と思ったりするかもしれないけど、「やるか?」と誘われたら「やめとけ」って言うよ。