東京メトロ日比谷線は、沿線に“鉄板の高級住宅地”を数多く抱える路線だ。「広尾」や「人形町」「六本木」といった資産価値が下がりにくい印象の強いエリアが並ぶ一方、下町の「入谷」やターミナルの「北千住」も沿線に含まれる。2020年には新駅「虎ノ門ヒルズ」が誕生し、都心の再開発を象徴する存在となった。こうした多様な顔を持つ日比谷線で、この先10年後に不動産価格が「上がる駅」「下がる駅」はどこなのか――。
人気路線だけに不動産価格の動向が気になるところだ。国税庁が発表した「2025年(令和7年)分の路線価」によれば、全国の標準宅地の平均変動率は前年比2.7%増と、2010年以降で最大の伸びを記録。日比谷線沿線も含めた東京都の上昇率は平均8.1%増と全国平均を大きく上回った。
不動産市場全体としては上昇基調が続く一方、少子高齢化の影響を受けるのは東京都とて例外ではない。都内の人口も減少に転じる可能性が指摘されている。同一沿線内であっても、「駅」によって将来の明暗は変わってくるはずだ。
こうした将来の変化を「駅」ごとに可視化したのが、不動産コンサルタント会社リーウェイズだ。同社は5億件に及ぶ物件データを活用し、不動産市場価格をAIで分析。さらに、国土技術政策総合研究所が2024年に公表した『将来人口・世帯予測ツール』をもとに、2025年から2035年の人口増減を予測した。不動産価格と密接に関係すると考えられる人口増減について東京のベスト200とワースト200を抽出し、そこから日比谷線の駅に絞ってランキング化した。