9月は市場の不安が意識されやすい傾向があるが
9月は市場関係者のあいだで「波乱の9月」と言われることもあり、株式市場の不安が意識されやすい時期だ。テクニカル分析や市場環境からは、今年9月の相場はどのような状況にあるのか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが解説する。
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日米ともに政局リスクが意識される中でも、株式市場は好調を維持し、9月相場は最高値圏で推移しています。毎年この時期になると「波乱の9月」と言われ、株式市場の不安が意識されやすいタイミングです。今回は、なぜ「波乱の9月」と呼ばれるのか、そして今年も波乱が起きる可能性はあるのかを解説します。
波乱の9月と呼ばれる理由
「セル・イン・メイ(5月に株を売れ)」という有名な相場格言には続きがあります。それは「Don’t come back until St Leger day(セント・レジャー・デーまで戻ってくるな)」です。
セント・レジャー・デーとは、毎年9月中旬にイギリスで開催される競馬レースのこと。つまり、株式市場では9月まで戻らない方がいい、という意味合いを持っています。
実際、米株市場では9月の成績が振るわない傾向があり、「波乱の9月」と呼ばれる所以となっています。
三井住友DSアセットマネジメントの調査によれば、1929年から2022年までの約100年分のデータが紹介されています。これによると、NYダウとS&P500はいずれも月間で1%以上の平均下落率を記録。勝率も40%台にとどまり、12カ月の中で最下位の結果でした。
このことから、9月は株価が下がりやすいという意識が市場参加者に根付いていると考えられます。