IPOであっても必ず初値で儲かるわけではない……(写真:イメージマート)
運用資産561万円を5年8か月で10億円に増やした兼業投資家、テンバガー投資家X氏は、大きな成長が見込めるIPO(新規公開株式)銘柄を上場後に購入する「IPOセカンダリー投資」と呼ばれる手法を駆使して“億り人”のステージに到達した。「10年以上ぱっとしなかった投資パフォーマンスが突然うなぎのぼりに上昇を始めた」という投資法にたどり着くまでの道のりを同氏が振り返る。
10倍株も達成しているテンバガー投資家X氏が自身の投資法を公開した著書『トイレスマホで「無限10倍株」3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)より一部抜粋・再構成して紹介する。
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うまくいかなかった投資の中には、IPO投資もありました。IPOとは、Initial Public Offering の略語で、上場していない企業が証券取引所に新しく上場して株を投資家に売り出し、株式を自由に売買できるようにすることです。IPO投資は、企業が新規に上場するタイミングでその株を手に入れる投資のことで、日本語では「新規公開株投資」などといわれます。
新規上場する際には、個人投資家が証券会社を通じて上場する前にその株を買う権利を手に入れることができます。このときの価格が「公開価格」です。公開価格は、IPOをサポートする主幹事証券会社が決定するもので、適正と考えられる株価から2~3割ほど割引した価格で設定されるのが一般的です。万が一にも売れ残るようなことがあれば証券会社が損をしてしまうので、投資家が割安感を感じる程度の価格を設定するのです。
この権利を得ることができれば、割安に設定された公開価格で株を手に入れることができます。市場で最初につく株価である「初値」は、公開価格より高くなるのが一般的なので、初値ですぐに売却すれば、多くの場合それだけで簡単に利益を出すことができるのです。
人気のIPO銘柄になると、公開価格の数倍の初値がつくケースもありました。IPO投資は大きなリスクを取らなくても大きなリターンが期待できるため、当時からとても人気があったのです。