上場コンサル企業でも「戦略系」と「総合系」の境界が曖昧に
転職先として注目度の高いコンサルティング業界には「高給」の印象が根強くあるが、実際はどのような水準なのか。今回、マネーポストWEBは東京商工リサーチの協力を得て、上場コンサルティングファームの25社の平均年収を調査した。上位のコンサル企業は自動車業界やメガバンクの平均給与を大きく上回る結果となった。
自動車業界の平均年収は700万〜900万円、メガバンクで800万〜1000万円とされるなか、上位のファームはそれらを凌駕し1200万〜1300万円台となった。業界のトップティアと呼ばれるマッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン コンサルティング グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーなどは非上場のため顔を出さないが、ランキング上位のファームのさらにその上をいくと見られる。
総じてクライアント企業のトップに対して経営戦略を提言する「戦略系ファーム」のほうが、トップが決めた経営戦略を実行段階で支援する「総合系ファーム」に比べて年収が高い傾向が見て取れる。ただし、なかにはベイカレント、シグマクシス・ホールディングスなど総合系だが上位に位置するファームもある。
「戦略系」と「総合系」の境界が曖昧に
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