コンサルタント色はランク(職位)が上がるごとに年収額もアップしていく
転職先として注目されることの多いコンサルティング業界には「高給」のイメージが根強くある。有価証券報告書に記載された上場コンサル企業の平均給与を見ていくと、総じてクライアント企業のトップに対して経営戦略を提言する「戦略系ファーム」のほうが、トップが決めた経営戦略を実行段階で支援する「総合系ファーム」に比べて年収が高い傾向が見て取れる。
一方で、どの会社に転職するか、だけでなく転職後にどのようにキャリアを積むかで給与水準は変わってくるという。『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』(ダイヤモンド社)の著者で、コンサルタント業界に特化した転職エージェント、ムービン・ストラテジック・キャリアの久留須親氏(シニア・パートナー)に話を聞いた。
小規模ファームでも「年収2000万円」に
コンサル一筋18年の転職エージェントである久留須氏によれば、入社後のランク(職位)の違いによっても年収は大きく変わるという。
「コンサルティングファームには、コンサルタントのランクごとに給与テーブルがあります。コンサル職は一般的に、アナリスト、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャーとランクが上がっていきます。未経験で20代で入社した場合はアナリスト、30歳前後だとアナリストかコンサルタント、30代半ばだとコンサルタントかシニアコンサルタントとして採用され、給与テーブルに従って年収が決まるのが基本の流れです。
未経験で20代半ばにアナリストとして転職した場合、戦略系ファームだと年収600万〜800万円くらい、総合系ファームで500万〜700万円くらい。30歳前後でコンサルタントとして転職した場合、戦略系ファームで年収800万〜1100万円くらい、総合系ファームで年収700万〜900万円くらいが相場のようです。
ですから、大手商社や広告代理店、大手金融など平均年収の高い業界からの転職だと、ファームによっては、逆に年収が下がることもありますが、一般にコンサルタントの賃金カーブは、戦略系か総合系かに関係なく、右肩上がりに伸びます。外資か内資かでもあまり差はありません。コンサルタントからシニア・コンサルタント、マネージャーへと上がっていけば、大手の場合、年収1000万円は確実に超えて、2000万円も夢ではないという世界で、小規模な独立系ファームでも1500万〜2000万円くらいには達します」(久留須氏・以下同)