ファームの違いによる年収の差はなぜ生まれるのか(写真:イメージマート)
一口に「コンサルティングファーム」と言っても、その内容は様々。クライアント企業に提供するサービスに応じて「経営戦略系」「総合系」などに分けられることが多い。その違いは、給与の面でも大まかな傾向として現われるという。フリーライターの清水典之氏が、コンサル転職エージェントに「コンサルファームの種類による年収の違い」について聞いた。
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コンサルティングファームは、クライアント企業に対するコンサルティングの対象によって、経営戦略系ファームと総合系ファームに分けられる。経営戦略系は、クライアントの大企業のトップに経営戦略を提言するファーム。総合系は、トップが決めた経営戦略を実行段階で支援するファームで、業務系とIT系に分かれる。
では、経営戦略系と総合系では、コンサルタントとしての年収に差があるのか。
東京商工リサーチの協力のもと、上場コンサルティング会社25社が最新の有価証券報告書で公開している社員の平均年収を調べたところ、YCPホールディングスが1358万5000円、ベイカレントが1349万7000円、ドリームインキュベータが1216万6000円、シグマクシス・ホールディングスが1207万7000円など、上位10社は軒並み1000万円を超えていた。それに対し、下位のファームの平均年収は、おおよそ600万円から800万円のあたりに収まっている。
同じコンサルティング業界でも年収の差がかなり大きいが、それは何によるものか。『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』(ダイヤモンド社)の著者で、コンサルティング業界への人材紹介を手掛けるムービン・ストラテジック・キャリアのシニア・パートナー、久留須親氏が言う。