いざという時の助けになるサービスを把握しておきたい(写真:イメージマート)
高齢の男性の中には、結婚してからほとんど家事をやってこなかったという人もいるかもしれない。そういった男性の場合、妻が倒れた後に「家事」で行き詰まるケースは多い。どういった対策が必要なのか。体験者の声を踏まえて、専門家にアドバイスをもらった。
神奈川県在住の70代男性が語る。
「妻が長期入院した際に大変だったのが家事です。家のことはすべて妻に任せっきりだったので料理も洗濯もできない。着替えや爪切りの置いてある場所すらわからず、途方に暮れました。掃除も一苦労でしたね。ひとりの期間中、これを機に家を片付けようとしたのですが、大きな家具は自分だけでは動かすこともできず、結局そのままになってしまった」
ケアマネジャーとしてひとり暮らしの介護者を大勢見てきた田屋正美氏が言う。
「体が動くうちに地域のシルバー人材サービスを一度利用してみるといいでしょう。掃除や洗濯などの家事から荷造り、運搬など時給1300~1500円ほどで様々な生活支援をしてもらえます。実際に使ってみて便利だなと思うサービスを知っておくと、いざという時の助けになります」
誰か気付いてくれるのか
夫婦が元気なうちに多少でも家事の練習をすることも心がけたい。シニア生活文化研究所代表理事・小谷みどり氏が語る。
「完璧を目指す必要はなく“ズボラ”でいいので多少は身の回りのことをできるようにしておきたい。洗濯物を綺麗に畳まずカゴに投げ込んでおくだけでいいし、食事は惣菜や冷凍食品に頼るのでいい。家電は高機能だと持て余しやすいので、温め機能だけの電子レンジや冷凍庫が大きめの冷蔵庫などシンプルな機能のものにすると家事もラクにこなせます」
