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キャリア

就職氷河期に地方の勝ち組「インフラ企業」に就職した40代男性の想定外のキャリア 弁護士になった今も悔やむ20~30代の“失われた時間”《人生設計の分岐点を考える》

「司法試験で見返すしかない」地獄の7年も、生涯年収は…

 高偏差値だったがゆえに“横”と比較してしまい、会社を辞めたHさんを待っていたのはイバラの道。学生時代、常に成績優秀だったHさんは、司法試験に挑戦しようと思い立ったが、そのハードルはあまりに高かった。

「司法試験が難しいことは承知していましたが、見返すにはいちばんだと思いましたし、3~4年あれば受かると思っていたんです。大学の同級生も何人か合格していましたし。でも、それは大きな誤りでした。収入が無いので実家に帰りましたが、両親はロクに相談もせず会社を辞めたことに激怒。試験はちっとも受からないし、家でも肩身は狭く、地獄のような時間でした。結局7回目の試験で合格しましたが、その頃はもう“キラキラした生活を送る”という夢などどうでも良くなっていました」

 それでも現在は司法修習の同期と弁護士事務所を構え、念願の弁護士としてバリバリ働いているが、思い切った決断の収支はどうか?

「現時点ではサラリーマンを続けていた場合より収入は上ですが、生涯年収でも上回るには70過ぎまで弁護士を続けないと無理そうです。10年近く収入が途絶えた時期がありましたから。そんなことより人生で最も輝くべき20代から30代にかけて、実家で鬱屈した時間を過ごしたことの方が悔やまれます。

 振り返ると、大学の同期にそそのかされて会社を辞めた一番の理由は、地元でステータスの高い優良企業を低く見られ、自分だけでなく田舎までバカにされた気がしたからだと思います。 “人は人、自分は自分”なのに、都会育ちの奴らの基準に自分を合わせてしまったんでしょうね」

 現状に満足せずに行動に出たHさんの姿勢を評価することもできるが、その原動力が他人の価値判断によるものなら、後悔する可能性は高い。Hさんの最大のミスは、“絶対に反対されるから”と、家族に一切相談しなかったことではないか。迷った時にストッパーになりそうな友人を探しておくのも、人生の大切な戦略かもしれない。

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