夫年収300万円、妻年収170万円の夫婦が1年間に払う税金を試算
固定資産税の無駄を省く
空き家はきちんと管理しないと固定資産税が6倍に増える──そう聞き、相続した空き家の実家を持て余している人は少なくない。しかし、使いやすくなった特例を知らない人もまた多い。相続専門のYouTuber税理士、橘慶太氏が言う。
「2024年4月から、空き家を放置して市区町村から『特定空き家』や『管理不全空き家』に指定されると住宅用地特例が使えず固定資産税が最大6倍に増えるようになりました。
一方、空き家対策のために創設された『空き家特例』(被相続人の居住用財産を売った時の特例)が使いやすくなりました。この特例はこれまで、空き家の売却益から3000万円が控除される代わりに、売却までに耐震リフォームや更地にしなければなりませんでした。しかし制度改正により売却後にリフォームや取り壊しをしても特例を使えるようになったのです。買主が耐震リフォームや取り壊しをした場合も適用されます」
これにより、リフォーム代や固定資産税を無駄にせず手放すことができるようになった。ただし、相続発生から3年以内に売却しないと特例が使えないことも知っておく必要がある。実家の土地を相続した際、土地の用途によって固定資産税が大きく異なることがある。その場合、知らずに無駄な税金を払い続けている可能性があると前出の相原氏が語る。
「固定資産税は土地の用途で異なります。食糧供給の観点から農地が優遇される一方で宅地でも農地でもない『雑種地』は税金が農地の3~10倍になります。実家の使わなくなった畑を相続して、調査を行なう市町村が見た目が荒れていることを理由に雑種地と判断し、税金が一気に高くなることもあります。
農地を一時的に休ませる場合は今後どのように農地を復活させるかの計画を自治体に伝えておくと、そのような事態を防げます。固定資産税納税通知が来たら農地扱いか雑種地扱いかを確認し、雑種地となっていたら早めに申し立てることです」
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※週刊ポスト2025年11月7・14日号
