「女の子だから」にモヤモヤ(イメージ)
大学では理工学部をはじめとする理系学部で“女子枠”を増やす動きがあり、女性の活躍をアピールする企業も珍しくなくなっている。一方で、まだまだ「女性だから、そこまで学力がなくたって大丈夫」「女だから、この程度の収入で十分」など、「女だから~」と女性を理由に学歴や地位を“求めない”価値観は根深いようだ。「女だから」という枕詞に違和感を抱いたことがある女性たちに、話を聞いた。
志望校選びで言われた「別にそんなに上を狙わなくても」
千葉県出身の大学4年生Aさん(20代女性)は、現在一人暮らしをしながら都内の国立大学に通っている。高校受験の際、祖母から言われて驚いた言葉があるという。
「私には2歳上の兄がいるんですが、兄は子供の頃から優秀で、県でいちばんいい高校に通っていたんです。私は兄と違って特別、成績で目立つ子ではなかったのですが、シンプルに頭がいいっていいな、とは思っていて、中3で塾に通うようになったら、思ったよりも成績が伸びました。そこで、兄のような“県で一番”までいかなくても、県内有数の進学校に進学したいと思い始めて……」
塾の先生にも“目指せる位置にいる”と勇気づけられたので、そこを目指して頑張っていたAさん。ある日、近くに住む70代の祖母から志望校を聞かれた時のことだ。
「祖母から、高校はどうするのか聞かれたので、正直に第一志望の高校名を答えました。応援してくれるかなと思ったら、『え、あの高校? 勉強大変じゃない? まぁ女の子だから、別にそんなに上を狙わなくても。もう少し下の○○高校ぐらいがちょうどいいんじゃない? 家からも近いし』と言われたんです」
Aさんは、「まぁ女の子だから」「ちょうどいい」というフレーズに「かなり引っかかった」と振り返る。
「たしかに塾に通う前は、自分の偏差値的にそのぐらいかなとは思っていましたが、『女の子だから』の意味がわかりませんでした。祖母も、兄の受験は応援していたのに……。祖母の言葉は、“女の子だからそんなに頑張らなくてもいいんじゃない?”みたいに聞こえますよね。なぜ、女の子が頑張るのがよくないのかと、めちゃくちゃ悔しかったです」
ただAさんの50代の両親は、「好きなところを受験しなさい」というスタンス。Aさんは無事に第一志望の高校に合格し、その後は国立大学に進んだが、そこでも“違和感”をおぼえる状況に直面した。
「うちの大学に限らず、国立大学のサークルでは“あるある”らしいのですが、自分の大学の女子はお断り、というところがあります。国立大学の女は“可愛げがない”ということなのでしょうか……(苦笑)」(Aさん)
