パチンコホールで抽選を受けるために配られる整理券
『777リーグ』の収録は、対抗戦に参加している大手チェーンのホールで行われる。そのホールにとっては、格好のアピールの場となっている。
「動画を見れば、そのホールがイベントでユーザーに対してサービスをしているかどうかが明確に見えてきます。注目度の高い『777リーグ』の収録時にそれなりの出玉があれば、当然『このホールはイベントでしっかり出してくれる』という認識が広がり、その後の集客にも繋がるはずです。ホールチェーン同士の対抗戦ということもあり、ライバルに負けないためにサービスが手厚くなるのを期待するユーザーも多く、だからこそ『777リーグ』の収録日に集まるということでしょう。
また『777リーグ』のような“出玉勝負”のバトル系の動画では、専門的な知識がある演者たちがホール内の状況をシビアに分析することも多い。もしも演者が動画内で“状況が悪い”と判断したら、そのホールにとっては大きなマイナス要素になってしまいます。ホールとしても広告宣伝のための動画なので、できる限りポジティブなものにしたい。だからこそ、演者によるバトル系動画の収録イベントの方が、出玉で還元される可能性が高いということになり、ユーザーもより多く集まるわけです」
ユーザーにとって実のあるイベントを開催できるか
今後も、演者による来店イベントは増えていくのか。
「ただ単に人を集めたいだけなら、演者ではなく知名度の高いタレントの来店イベントでもいいのですが、そのタレントに会いたいだけの人が、パチンコやパチスロを打ってくれる可能性はそこまで高くありません。
一方、演者の存在を知っているのは確実にパチンコ・パチスロユーザーなので、演者の来店イベントに集まる人は、必ず遊技してくれます。つまり“売上に直結する集客”という意味では、タレントより演者の方が、費用対効果が大きいんですね。そのうえで来店時の様子がYouTube動画として公開されれば、その盛り上がりをより広く示すこともできる。ホールにとって、イベント当日の売上を確保しつつ、出玉で還元していることをアピールするには、演者による来店イベントは効果が高いということです。そう考えると、演者の夜来店イベントは今後も増えていきそうです。
ただし、すべての来店イベントが、ユーザーにとって期待できるものではないという現実もあります。『777リーグ』の収録のような盛り上がるイベントと、そうではないイベントとの間で集客に大きな差があるのが現実でもある。演者の来店イベントは、集客の手法として効果があるのは間違いないですが、ユーザーもそのイベントが期待できるかどうかをシビアに見極めているわけです。ホール側に求められるのは、ユーザーにとって実のあるイベントを開催することです」
年々店舗数が減少しているパチンコホール。今後生き残っていくには、いかにユーザーに支持される来店イベントを開催できるかどうかが重要になっていきそうだ。
■前編記事:《ホールの売上に直結》パチンコホールの広告宣伝で拡大する「来店イベント」 有名タレントより一般的には無名の“演者”が重宝される理由
