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不動産投資の「一口オーナー」制度、相続税対策で注目集まる

 これに対し、一口商品は不動産特定事業法に基づく『任意組合方式』となっており、投資家が事業者を通して現物の不動産を小口で取得し、価格変動リスクをとりながら賃貸経営をする仕組みです。

 その代わり、税制が異なり、従来の不動産投資ファンドが『雑所得』扱いで確定申告の際に給与所得などとの損益通算や損失の繰り越しができないのに対し、こちらは『不動産所得』となるため、減価償却もでき損益通算や繰り越しも可能です。そして最大のメリットは相続税対策につながることです」

 不動産は相続税対策に使われることが多い。小規模宅地の特例が使えるなど相続税評価を圧縮する効果があるためだ。そこで、多くの資産を保有する富裕層が節税目的で注目しているのだという。

 手軽に小口の不動産投資ができる商品としては「REIT(不動産投資信託)」もあるが、それぞれ比較するとどうか。

「株式市場に上場するREITは投資家が不動産を保有するのではなく、発行体が投資した不動産の価格上昇や賃料収入などによる分配金を目的とした、まさに金融商品です。価格変動も大きく、いつでも売りたい時に売れる流動性も高いので、小口の投資で純粋に利益を追求したいのであればREITに分があります。

 一方で、一口商品は値上がりや分配金を期待するよりも、現物の不動産同様、相続時に大きなメリットがあるなど、投資目的以外に注目ポイントがある。多くの資産を保有する富裕層が一部を振り向けて、リスクを軽減化するポートフォリオを組むのに適した商品といえるでしょう」(同前)

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