リクルート社員とはいまだに繋がりがある
――最初の上司のことは覚えてますか?
伊藤:はい。戸建てデベロッパーグループのゼネラル・マネージャーは、池本(洋一氏、後にSUUMO編集長、SUUMOリサーチセンター長)さんでした。最近、住宅に関する話題でよくテレビに出てくる、あの『緑のおじさん』です。
この春も、一緒に徳島県にフィールドワークに行きました。池本さんが興味ありそうな場所だったので、「行きませんか?」と聞いたら、光の速さで返信がきました。出会った頃と1ミリも変わらず、興味のアンテナが“剣山”並みなのが池本さんの凄いところです。
池本さんは現役リクルート社員なので、政治との関わりについては、かなり慎重にならざるを得ないはずなのに、2016年、2022年の参院選の最中、「たまたま、休みの日に通りがかった」と言って愛知県まで来て下さったり、「小林(伊藤氏の旧姓)孝惠さんが選挙に出ています」とSNSに投稿してくれたり。嬉しい反面、社内で処分されないか本気で心配してました。
――今でもリクルート時代の方とはお付き合いがあるんですね?
伊藤:よく会っています。元リクはおしなべて、社会課題の解決に向き合っている人が多いので、いろいろ助けてもらっています。
国民民主党の公式キャラクター「こくみんうさぎ」をデザインしてくれたのも、リクルートの元同僚なんですよ。
他にも例えば、私が生理政策について国会で質疑した際、元後輩からいきなり、世界各国の生理政策をまとめた資料が送られてきて、「この人に会って知恵をもらってはどうか」と米国の下院議員の連絡先まで添えられていました。
「いきなりどうしたの?」と聞いたら、「国会中継を見ていたら、孝惠さんが素晴らしい提案をしているのに、周りの議員にバカにされているみたいで頭にきたから、何か助けになりたかった」と。一晩でまとめあげられたその資料は完璧な代物で、その後の国会質疑で活用させていただくとともに、同じ課題感で活動している全国の自治体議員たちにも提供させてもらいました。
元リクには、自分の守備範囲を軽やかに超えていく知識やひらめき、時に正義感。そしてそれを楽しむ無邪気さがあります。