配達員・Bさん(40代)は、「外国人の方はフードデリバリーをよく頼みます」と話す。
「飲食店に入ると、注文や支払いなど、コミュニケーションに不安があるので、多言語対応するフードデリバリーのシステムを重宝しているようです。食事に制限があるイスラム圏の方もよく注文しているイメージです。自分の経験では、外国人の方たちは日本食をそんなに注文されません。チャーハンやパスタなど、馴染みのある食べ物のほうが安心なのではないでしょうか」
「写真と違う」「返金しろ」と言うばかり
注文時に言葉のコミュニケーションが不要なのはたしかに便利だろうが、配達員とは顔を合わせることになる。別の配達員・Cさん(40代)は、「言葉が通じないと思って横暴に出られることもある」と顔を曇らせる。
「夜21時頃、池袋のとある一室に中華料理を運んだ時のことです。点心や汁物、麺類など結構な量でした。扉を開けたら生活感がない、ホテルのような部屋。出てきたのは男性の中国人でした」
ワンルームの部屋で、扉からは部屋の中が丸見え。中には男性が4人おり、配達員は大量の注文にも納得したが、そのうちの一人が急に声を出したことで事態は急変した。
「無事に受け渡しを終えて仕事に戻ろうとすると、『オニーサン!オニーサン!』って呼び止められました。お金も商品もきっちり確認したはずでしたが、写真と違うものが届いたとのこと。料理とスマホ画面を交互に指差し、『写真と違う!』『食べたいものじゃない!』ということをカタコトの日本語で言われました。配達員に言われても困るので、『クレームなら問い合わせ先に連絡してほしい』と言っても聞く耳をもたない。実物は、そこまで写真と乖離しているようには思えませんでしたし、途中で『自分には権限がない』ことをなんとか伝えて逃げ帰ってきました。怖かったです」(Cさん)