ズボラでもできる財産管理法とは(イメージ)
会社員が定年を迎えると、残りの寿命と向き合いつつ、まだ人生が続くことも考慮する──そんな人生の舵取りが求められる。近著『定年後、その後』(プレジデント社 10月刊)や『75歳からの生き方ノート』(小学館)を上梓した楠木氏は、人間には5つの寿命があると説く。「ホントの寿命」「健康寿命」「労働寿命」「資産寿命」「人間関係寿命」だ。それぞれの寿命をうまくコントロールして生きることが人生の終盤には重要だという。
このうちの1つ「健康寿命」について楠木氏は、病気や障害を恐れすぎないことが大切だと語る。
「75歳以上が対象のカルチャーセンターに集まる人たちに話を聞くと、ほとんどの人が病院通いをしていました。それでも嬉々として学びを楽しんでいます。健康であろうとあくせくするより、たとえ健康ではなくなっても楽しめることが大切です」
それでも歳を重ねれば誰でも体力は落ちていく。病気が悪化して、活動範囲が狭まることもあるだろう。
「“老いてますます盛ん”には限度があります。でも、その時々の自分なりの旬を見極めることができれば楽しむことは可能です。海外旅行は難しくても、国内旅行なら楽しめるかもしれません。できないことよりもできることに視点を移すことがポイントです」(同前)
ズボラでもできる財産管理法
労働寿命はお金のためだけではないと楠木氏は語る。
「これまでの取材では、十分な資産があり、定年後に収入を得る必要がない人も働いていました。何かしらの仕事を通して社会とつながり続けることで『人間関係寿命』を確保していたのです。有償ボランティアのような仕事でもいい、誰かの役に立っているという意識が人を幸せにすることもあるのです」
