「生活習慣病管理料」の項目を変えれば医療費削減につながるケースも(写真:イメージマート)
「70歳以上の医療費自己負担を原則3割に」──11月、財務省の財政制度等審議会で、社会保障制度の改革案が示された。現在、所得に応じて1~3割となっている70歳以上の医療費の「窓口負担」を原則として「一律3割」にするというのが財務省の提案内容だ。
医療費の負担増が避けられないからこそ、それを節約するテクニックを知っておきたい。どのようにすれば必要な医療を受けつつ負担を抑えることができるのか。まず検討したいのが、医療機関のかかり方の見直しだ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が言う。
「複数の生活習慣病に罹っていて、疾患ごとに別のクリニックを利用している人は、再診料や検査費などで余計に医療費を支出している可能性が高い。高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は、かかりつけ医にワンストップで受診することで医療費節約に繋げることができます」(室井氏)
高血圧や糖尿病、脂質異常症で「通院は月に1回だが、その都度クリニックで血圧測定や検査は受けていない」ケースでは、こんな医療費削減のワザもある。
「クリニックなどで会計時に受け取る『診療明細』にある『生活習慣病管理料』が(I)と(II)のどちらで請求されているかを確認しましょう。これは昨年6月の診療報酬改定で新設された項目で、(I)は検査などを含む包括料金のため割高ですが、検査料等を含まない(II)に医師に相談のうえ変えてもらうと、クリニックで検査や注射を受けない限り月980円、年間で1万1760円(※3割負担の場合。以下、金額はいずれも3割負担で記載)を節約することができます」(同前)
風邪や体調不良で受診する際は、病院に行く「時間帯」も考慮したい。
「診療時間外の夕方6時以降や早朝に受診すると、『時間外加算』として初診で255円の割増料金がかかります。特に夜10時から朝6時の間は『深夜加算』として1440円が、休日は『休日加算』が750円請求されるので注意が必要です」(同前)
