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田代尚機のチャイナ・リサーチ
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米国のベネズエラ攻撃が中国の“一帯一路”政策に与える影響 トランプ大統領がドンロー主義を貫くのであれば、中国にとって“悪くない取引”成立の可能性も

トランプ大統領は対中国でどのような取引を持ちかけるのか(1月3日、米軍の作戦を見守るトランプ大統領。Getty Images)

トランプ大統領は対中国でどのような取引を持ちかけるのか(1月3日、米軍の作戦を見守るトランプ大統領。Getty Images)

 中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。関連記事《【石油利権があるのになぜ?】米国のベネズエラ攻撃に「中国の株式市場」が反応しない理由》を踏まえて、米国のベネズエラ攻撃が中国の外交政策に与える影響について解説する。

 * * *
 米国のベネズエラ攻撃は、同地に石油利権を持つ中国にどのような影響を与えるのか。経済的な影響はほぼ無視できるレベルだが、中国が最重要視する外交政策“一帯一路”戦略に関して今後、修正を迫られる可能性が高く、政治的な影響はあると考える。

 中国一帯一路ネットの最新情報(1月11日確認)をみると、一帯一路に正式に加入している国は156カ国に及ぶ。内訳をみると、アジアでは韓国、ASEAN加盟国、トルコ、イランなど41カ国で、日本、インドを除く大半のアジア主要国が加入している。欧州では、イタリア、ポルトガル、ギリシャ、ポーランド、ウクライナ、ロシアなど27カ国、アフリカは52カ国、太平洋諸国は12カ国が加入している。問題となるのは、北アメリカのキューバ、パナマ、ドミニカなど13カ国、南アメリカのブラジル、アルゼンチン、コロンビア、ペルー、そしてベネズエラなど11カ国が加入している点である。

 一帯一路とは習近平国家主席が2013年9月、カザフスタンの大学で行った講演内容に端を発する国際的な経済協力体制だ。当初は古代に栄えた陸、海のシルクロード周辺国を対象としていたが、現在はそうした地理的概念は取り払われている。ともに商業活動を盛んにし、国家建設で協力し合い、利益を分かち合うといった原則の下で、政治的なコミュニケーション、設備の共通化、貿易の活発化、資金の融通や民間交流などを推し進めるために、その開放的なプラットフォームを形成することが一帯一路経済協力体制の主な目的だ。

 中国の貿易統計(人民元ベース、速報値)において、昨年から一帯一路国家に関するデータが加わっており、それによると2025年における加盟国への輸出は全体の51%、加盟国からの輸入は54%を占める。輸入については0.1%増で全体の輸入の伸び率を0.4ポイントほど下回っているが、輸出については11.2%増と全体を5.1ポイント上回っている。

 このままでは中国が米国大陸の一帯一路加盟国との間で、通信・インフラ設備の建設、金融機関の参入、貿易を通じた経済関係の緊密化などを通じて、反米勢力を強化・拡大させかねない。軍事面での米国・NATOとロシアとの関係に類似した構図が、経済面ではあるが中国・南米一帯一路加盟国と米国との間で生じかねない状況だ。

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