有識者会議の提言書から読み解く「5つのキーワード」
第1のキーワードは「地域連携プラットフォーム」だ。「知事と学長が人材需要を共有し、地域企業の支援や大都市大学との連携などにより地域に不可欠な医療や福祉分野等の人材を育成する方策を協議・実行していくべき」としている。要するに、地域連携プラットフォームが地域にとって必要な大学かどうかを評価する仕組みをつくろうということである。地域の期待に応えられず、支持を取り付けられない大学は退場を迫られることとなろう。
第2のキーワードは「機能別支援」だ。「設置者別から機能別の支援の仕組みの創設を検討すべき」としているが、これは国立、公立、私立といった区分ごとに一律支援するのではなく、研究力や社会への貢献度など各大学の機能・役割に着目して強弱をつけようということだ。逆に言えば、“存在価値”を示せない大学への助成は絞り込まれるということである。
第3のキーワードは「産学融合」だ。「産業界のニーズに応じた人材育成や国際競争力の強化につながる研究開発を推進していくために、産学連携から産学融合による共同研究・共同教育を実現していくべき」としている。
具体的には、クロスアポイントメント制度(研究者などが複数の大学や公的研究機関、民間企業とそれぞれ雇用契約を結び、業務を行うことを可能とする制度)の促進や、実務家教員(企業や官公庁などで身につけた豊富な実務経験・専門能力を活かして大学・大学院などで教育・研究に従事する教員)をより採用しやすくするための仕組みづくりを提言している。裏を返せば、国の財政支援を企業に肩代わりしてもらおうということであり、企業に評価されない大学は退場を迫られることとなろう。
第4のキーワードは「理工農系分野」だ。「私立大学における理工農系人材 の育成機能の強化を図ることが必要」とし、地方における理工系人材の育成や大都市圏の大規模大学における理系転換を提言している。だが、設備の整備を要するだけに、転換や拡充は簡単ではない。文系学部に偏った大学に対する“無言の圧力”の意味合いが強そうだ。
日本は「理工系」分野の大学学部入学者が極端に少ない(出所:文部科学省「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」参考資料より)
