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住まい・不動産
中古マンション「上昇期待地区」はどこだ
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【1億円超の物件を買う“パワーカップル”の資産構成とは】「東京23区の中古マンション価格は天井をつけた」と不動産仲介のプロが指摘する理由 海外富裕層の購入だけでない価格高騰の要因を解説

都内のマンション価格高騰の背景には複合的な要因がある(イメージ)

都内のマンション価格高騰の背景には複合的な要因がある(イメージ)

 東京都内の中古マンションの平均価格は、不動産調査会社の東京カンテイの発表によると、2025年5月の時点で1億88万円(希望売り出し価格)となり、史上初めて1億円の大台を超えたという。はたしてマンション価格高騰はいつまで続くのか。『住む資産形成 資産価格重視で後悔しないマンションの選び方』(KADOKAWA)の著者で、不動産仲介会社KIZUNA FACTORYの代表取締役である稲垣慶州氏が、近年の中古マンションの値上がりの背景について解説する。

都内の中古マンションは”上げ止まり”のフェーズに

「ざっくりした数字で言えば、都内の都心部の中古マンション価格は、2023年に15%、2024年に30%、2025年に15%上がり、今年は5%程度と予想されています。2024年をピークに鈍化し、上げ止まりのフェーズに入っているという印象です。

 ここまで物件価格が上がった背景には、複合的な要因があります。コロナ禍が完全に明けたのが2023年頃で、株価が急上昇して日経平均で年間7000円強、2024年も6800円くらい上がり、資産形成に目を向ける人が増えました。同時に、円安とインフレが進行し、建築資材が高騰してマンション価格も上昇したので、不動産にも注目が集まり、マンション購入に踏み切る人も増えた。1億円を超えるマンションの購入層には、世帯年収1500万円くらいのパワーカップルが多いのですが、現金で持っているのは数百万円くらいで、マンションの含み益が1億円、株式で時価総額5000万円といった資産構成になっていたりします」(以下、「」内コメントは稲垣氏)

 円安とインフレが進んでいるので、価値が下がっていく現金ではなく、別の資産に形を変える動きが進んだということだ。ただ、建築資材の高騰で新築物件が値上がりするのは理解できるが、原価が高騰していなかった頃に建てられた中古物件まで値上がりするのはなぜなのか。

中古マンションの価格が上がる本当の理由

「新築マンションは、首都圏では2000年頃に10万戸ぐらい供給されていたのが、2025年時点では2万5000戸まで減っていて、希少性が高まっています。新築が買えなければ中古に目を向けるのは当然の流れで、新築マンションが建つと周辺の中古マンションが値上がりします。新築と同額では売れませんが、築年数が新しい順に新築に近い相場に押し上げられるのです。たとえば、品川の港南口に坪単価400万円ほどで買える中古マンションがあったとして、近隣に新築物件が坪単価900万円ぐらいで建つと、650万円くらいにまで上昇するわけです。都心部には自然に上がっていくエリアもありますが、ほとんどが新築の建築が“トリガー”となって中古の価格が上がっています」

 一方で、中国系外国人の富裕層が東京都心部の物件を買い漁っているため、マンション価格が高騰しているともいわれているが、それについてはどうか。

「台湾や香港の富裕層が、対中関係の政治的リスクから避難先として日本のマンションを買っているというのは事実ですが、『都心部の高額マンションの半分を外国人が買っている』というのはさすがに言い過ぎで、全体からすればほんの一部でしょう。日本人が中古物件を買う場合、住宅ローンを使用するのが一般的ですが、彼らは素早く現金で買うことが多いそうした購買行動が価格上昇に寄与した面もあるでしょうが、影響はわずかだと思います」

 あくまで円安とインフレによる資材高騰が値上がりの主な要因だとする。そのため、再開発地域はその典型だが、物価の高騰に連動して年々高額になっていく新築マンションが次々に建つエリアほど、中古マンションの価格も値上がりしやすいということになる。

 ただし、新築物件の中古マンション価格への影響は、東京都内でどこでも同じというわけではなく、同じ区内にもさまざまな“格差”があると稲垣氏は指摘する。たとえば世田谷区については、関連記事『《世田谷区・中古マンション「資産価値が上昇期待の地区/期待できない地区」》人気先行の「三軒茶屋」「駒沢」に疑問符 交通利便性・価格・資産性に優れた街とその条件とは 不動産仲介のプロが徹底検証』で、同氏が詳しく解説している。

【プロフィール】
稲垣慶州(いながき・よしくに)/(株)KIZUNA FACTORY(キズナファクトリー)代表取締役。レオパレス21で建築営業を経験した後、27歳で賃貸不動産会社を創業して取締役に。2014年に33歳で独立し、KIZUNA FACTORYを創業。売買仲介とマンション買取リノベーション再販を行なう。通算3000組以上の接客経験を活かし、不動産業界の透明化を目指す。YouTubeチャンネル「東京不動産大学」を運営するほか、X等でも情報発信をしている。
YouTubeチャンネル「東京不動産大学」:https://www.youtube.com/@inagaki_kizuna
公式X:https://x.com/inagaki_kizuna

取材・文/清水典之

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