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【なぜ「高級コーム」にZ世代の支持が集まるのか?】世代特有の“意味のある消費”と“ご自愛を肯定する価値観”が影響、贅沢品ではなく「日々のセルフケアへの投資」という考え

コームにこだわる若い世代が増えている(イメージ)

コームにこだわる若い世代が増えている(イメージ)

 いまZ世代を中心に、「高級コーム」人気が静かに広がっている。Nomde BeautyがZ世代を対象に実施した「2025年ベストコスメ」に関する調査では、美容グッズ部門でコーム(櫛)類が安定した支持を獲得。特に、ReFa「ハートコーム アイラ」(2970円~)と、ラブクロム「(R)PGツキ プレミアムブラック」(5610円)の人気は高く、両者合わせて約7割の支持を集めたという。コームは100円ショップでも手に入る身近な存在だが、これらはいずれも“高級路線”と言えるだろう。

 なぜ今、Z世代に高級コームが選ばれるのか。調査を主催した株式会社N.D.PromotionのZ総研アナリスト、道満綾香氏に話を聞いた。【前後編の前編】

ヘアケアは他人の視線よりも“自分の気分を整えるため”の行為

 これまで身だしなみは、「人にどう見られるか」を意識する行為として語られることが多かった。しかし道満氏は、「Z世代にとってヘアケアは、他人の視線よりも“自分の気分を整えるため”の行為へと意味を変えつつある」と指摘する。転機になったのは、コロナ禍だ。

「外出が減り、自分と向き合う時間が増えたことで、『自分を大切にすることが心の安定につながる』という感覚が広がりました。いわゆる“ご自愛”という考え方が、特別なものではなく、日常の一部になっていきました」(道満氏、以下同)

 自分の心も身体も大切にする「ご自愛」ブームは、こうした意識の変化を象徴する。前髪を整える、顔まわりの毛流れを直す。ほんの数秒の行為でも、より納得できる自分へのアップデートを叶えるコームは、Z世代にとって身だしなみと同じぐらい「気分」を整えるためのセルフケアアイテムとして、欠かせない存在になりつつある。

“いつ撮られてもいい自分”でいたい

 またZ世代の日常は、写真や動画と切り離せないこともポイントだ。SNSを前提としたコミュニケーションの中で、“いつ撮られてもいい自分”でいたいという感覚は、もはや特別なものではなくなった。

「写真を撮って楽しむ文化が生活の一部になるなかで、外出時だけでなく日常の何気ない瞬間でも“写る自分”を意識するようになりました。特に顔周りの印象を左右するヘアケアは重要度が高く、手軽に使えるコームへの関心が高まっていると考えられます。リップやミラーと同様、コームは“バッグに入れておく自分を整える道具”として定着しています」

次のページ:贅沢品というより「毎日使うセルフケアへの投資」

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