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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「ワシは凄かったんじゃ!」高齢男性と交流して感じた“定年後に嫌われる”元サラリーマン男性の特徴 過去の自慢&喋り過ぎには要注意

唐津城の成り立ちにも一家言あり

唐津城の成り立ちにも一家言あり

とにかくよく喋る

 また、自慢とは異なるものの、「とにかくよく喋る」というのも特徴的です。以前、「郷土史研究家」的な人で、地元の話題に滅法詳しい70代男性主催の飲み会に参加しました。同氏はサラリーマン時代から歴史に興味をもっていて、定年後にその興味が加速します。それはそれで生きがいがあってよいことだと思うのですが、講談でもするかのように、廃藩置県の話を立て板に水のごとく喋るんです。

 たとえば佐賀藩が明治維新側だったのに対し、唐津藩は幕府側だったことなどを解説したうえで、「佐賀と唐津は違うんや!」みたいな話に持っていく。

 するとそこに別の高齢男性が、「今の唐津城は1966年に建てられたコンクリートのハリボテ城や。歴史に忠実でなくてはいかん!」なんて興奮しながら割って入ってくる。彼らと初対面の若い女性はポカーンとしている。旧知の高齢女性は「はいはい、また始まりましたね」と苦笑い。

 いずれの高齢男性も、サシで喋っているとあちらが90~95%を喋り、こちらは「ははー!」「なるほど!」「すごいですね!」「マジっすか!」ぐらいしか言うことがありません。漫画ではガヤ要員というか、賑やかし的な存在がいます。格闘漫画『魁!男塾』に登場する富樫源次と虎丸龍次は、仲間の試合を観戦し、「なんじゃ、あの構えは~!?」などと驚くのが仕事(実際はストーリーを進める上で重要な役)ですが、私も富樫・虎丸になった気持ちになります。

好かれる高齢男性は「控えめ」

 私の場合、仕事が忙しくなければ人の話を聞くのは嫌いではない。もとより、高齢男性の話し相手になるのは好きです。しかし、少なからぬ人々にとって、彼らと過ごす時間は苦痛なようです。目の前で拒絶反応を見せはしないものの、当人が去った後で「ふー、話が長かったわ」とホッとするのでした。これだけで「過去の自慢をする元サラリーマン」が他の人にどう思われているか、おわかりでしょう。

 よく、定年後に嫌われる人は「地元のコミュニティに参加しない」などと指摘されがちですが、これは都会人や駅近くのマンション居住者ならともかく、地方で自宅を持っている人はあまり当てはまらないと感じます。特に農村や祭りの「町」など共同体が重視されている場所では、自ずとコミュニティに参加せざるを得ない。ちなみに前出の「自慢する男性」ですが、地元では誰もその話に感心してくれなくなっているため、町の寄り合い等では案外静かにしています。

 一方、好かれる高齢男性ですが、これは一言で言うと「控えめ」なんですよ。宴会でも我を出すわけでもなくニコニコしながら酒を飲んでいる。時に街の不動産事情についての仰天裏話を披露するなど、その場にいる人が本気で驚くようなことを言う。いざという時に、場が引き締まるひと言をビシッと繰り出す。

 こうした控えめな高齢男性になると人望も集まります。過去の自慢&喋り過ぎは周りから煙たがられるだけですので、くれぐれもご注意を。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は稲熊均氏との共著『ウソは真実の6倍の速さで拡散する』(中日新聞社)。

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