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【五輪は無料で見られたのにWBCは有料】配信時代に両極化するスポーツ中継の向かう先 有料配信はライト層への普及ハードルになる一方で「コアなファンの需要に応える存在」に

手元でスポーツの試合を楽しめる時代(イメージ)

手元でスポーツの試合を楽しめる時代(イメージ)

 多くの感動を呼んだミラノ・コルティナ冬季五輪の熱気が収まらぬなか、3月5日から野球の世界大会ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕、さらに6月にはFIFAワールドカップ2026も開催されるなど、スポーツ三昧の2026年。しかしWBCは日本国内でのテレビ中継がなくNetflix(ネットフリックス)の独占配信と、手軽に見られないことを嘆く声も多い。配信全盛の今は、スポーツファンにとって冬の時代なのだろうか──。

飲食店でWBC中継を流せない

 2006年の第1回大会から2023年の第5回大会まで、日本戦はすべて地上波テレビで生中継されていたWBC。しかし今大会、試合を見ようと思えばNetflixしか手段がない。一方で、ラジオでは日本戦をニッポン放送などが生中継、日本が出場する可能性がある準々決勝、準決勝、決勝を文化放送が生中継する。

 スポーツの国際大会の場合、飲食店などではテレビで生中継の試合を流し、客たちがそれを楽しむことも多いが、今回のWBCについてはそれができないという。エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏が説明する。

「飲食店などで動画を流す場合、“商用利用”にあたります。映像コンテンツなどを商用利用するには、そのためのライセンス契約が必要で、たとえばスポーツ配信大手のDAZNであれば『DAZN For Business』という商用利用向けプランがあります。しかし、Netflixでは商用利用を想定したプランがなく、スポーツバーや居酒屋などでWBCの試合を上映することはできません」

“WBCを見るにはNetflix加入が必須”という現状の中、Netflixでは「ワールドベースボールクラシック応援キャンペーン」を2月19日から実施。新規に加入するユーザーに対し、各プランの初月利用料金が、「広告つきスタンダードプラン」890円→498円(44%割引)、「スタンダードプラン」1590円→795円(50%割引)、「プレミアムプラン」2290円→1145円(50%割引)のように割引になるキャンペーンだ。

 新たなユーザー獲得に注力するNetflixだが、未加入の野球ファンを動かすのは決して簡単ではない。都内の飲食店勤務・Aさん(60代男性)は、Netflixに加入することを悩み続けている。

「野球は大好きでWBCも見たい。でも、Netflixに入らないと見られないという状況はちょっと受け入れがたいです。配信のドラマも映画もあまり見ない私にとって、Netflixのサービス自体はまったく必要ないんですよね。WBCを見るためにNetflixに入らなければならないというのが、ハードルが高いというか……。正直、生中継はラジオで楽しめばいいかな、という気持ちになっています。試合がある時間は仕事中で生配信も見られない可能性も高いし、ラジオを聞きながら仕事をする感じになりそうです」

次のページ:全ての競技が無料で楽しめたミラノ・コルティナ五輪

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