東北地方では復興が進んだ地域とそうでない地域の格差拡大
視点を変えて、2011年3月11日の東日本大震災から15年が経過した東北地方を見てみたい。復興のための予算は、2026年から2030年の期間で1.9兆円規模が見込まれている。
東北地方では、復興が進んだ地域とそうでない地域の格差が広がり、人が減り続ける問題と、自治体の財政負担が慢性的な悩みとなっている。震災前の水準まで経済が戻った数字もあるが、息切れの様子も目立つ。
深刻なのが、財政負担の増大である。立派に整備された復興施設の維持や管理にかかる費用は、震災前の平均と比べて1.7倍に増え、年間で約1460億円に上っている。堤防や公共施設の整備が進んだ反面、人が減って税収が落ち込む中で、重い維持費が自治体の財政を強く圧迫している。将来にわたって街を維持できるのかという疑問の声も上がる。能登と東北の被災地で共通しているのは、人が街を離れることで人材や経済の基盤が弱くなることと、インフラを復旧した後に莫大な維持費がのしかかってくることである。
災害に遭った街を元通りにするために、コンクリートやアスファルトで巨大な構造物を造り直す。目に見える工事は前進しているように感じるかもしれない。しかし、数十年先を見据えれば、人口が減少していく街に重い維持費を残す結果となりかねない。建造物の再建を必要最小限にとどめ、より合理的で無理のない方法で街を立ち直らせる手段を模索しないのは、政治と行政の怠慢であると言わざるを得ない。