小学校受験の注目度が高まってきている(イメージ)
親世代の高学歴化や少子化の影響もあって、「小学校受験」に注目が集まっている。最近の小学校受験にはどういった特徴があるのか、また、どのような変化が起こっているのか。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』が話題のノンフィクションライター・杉浦由美子氏がレポートする。【シリーズ第1回】
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少子化の中、ひとりの子供にかける教育費が高くなっているためか、小学校受験に注目が集まっている。中学受験が過熱する中で、「中学受験を回避するために小学校受験をさせる」という保護者も増えているようだ。
私立小学校はサービスが進化し、内容が魅力的になっているのも小学校受験の人気に拍車をかけている理由だ。
たとえば、かつての大学の付属校は、入学後はのんびりしていたので、小学校受験組は中学進学以降、学力的に苦戦することも多かった。しかし、今はほとんどの付属校が小学校入学組にしっかりと勉強させ、「中学受験でも合格できる」学力に仕上げていく。つまり、系列の大学への進学が確約される上に、基礎学力も伸ばすことができるのだ。「付属だと勉強をしなくなってしまう」という心配はなくなった。
また、かつては私立小学校というと専業主婦家庭が中心だったが、今は共働き家庭が増えている。そのため聖心女子学院のような名門小学校でも学童保育を充実させている。
このように、中学受験の過熱や私立小学校がサービスを向上させる中で、私立小学校に魅力を感じ、小学校受験をさせようという保護者も増えている。
小学校入試は本当に「ブラックボックス」?
一方で、小学校受験に懐疑的な人たちもいる。そういった人たちは「小学校入試の合否はブラックボックス。公平性が疑わしい」と指摘する。中学受験はペーパー試験の得点で合否が決まり、合格最低点も公表される。しかし、小学校受験はペーパー試験以外にも行動観察や親子面接などが課され、合否の基準がベールに包まれている。
そのため、「小学校受験は親の受験」「家柄が見られる」という保護者も実に多い。Xを見ているとインフルエンサーが「名門小学校ではコネクション9割、フリー1割」といった情報を拡散している。
実際はどうなのだろうか。どこを取材しても「縁故はゼロではない」という。ようは、何かしらのコネクションで入学する子供もいるということだろう。
一方で、ある小学校受験対策大手教室職員はこうも話す。
「縁故で入学するのはごくごく少数派。ほとんどは入試できちんと選抜されて入学していく」
そしてこうも続ける。
「雙葉や白百合などのカトリックの小学校の児童は医師の娘が多いので、医師の娘が有利になるという噂がありますが、それは違います。難関の進学校に小学校から通わせようと考えるご家庭は、ご両親が医師というパターンが多いだけです。経済力があって、娘を幼い頃からしっかり勉強させようとするのは今も昔も医師家庭に多いというだけです」
進学校というのは大学受験をすることを前提にした学校を指す。中には中学受験を前提にした洗足小学校のようなところも出てきている。
進学校の場合、小学校受験もペーパー試験重視だ。その学校の卒業生の子供が有利になることも比較的少ないという。入学後、しっかりと勉強をさせるから、それについていける学力の高さも求められる。
外野からすると「年長(6歳)の段階でペーパーテストができることが、中学以降の学力とリンクするのか」と疑問に思うが、入試でペーパー重視を続けるのは、その方法での選抜でうまくいっているからだろう。
また、先に書いたように、付属校も今は小学校入学後に、「中学受験を経て入学してくる生徒と同じ学力にしていく」方針の学校が増え、そのため、小学校入試でもペーパー試験の比重は高くなっている。青山学院も昨今は難易度が高いペーパー試験を課すようになっている。
