「撮影するのは私の権利だ!」と怒る外国人ファン
別のK-POPグループのファンからはこんな声も聞こえてくる。ボーイズグループのファンで、中国人や韓国人のファン仲間がいるという会社員の女性・Bさん(30代)は、SNSで親しくなった海外のファンは、堂々とスマホで撮影をするのだという。
「彼女たちに『日本では撮っちゃダメだよ』と説明しても、『他の国では撮影OKなのに、日本の運営が私たちの権利を侵害している!』と逆ギレ。『バレないなら撮っていいに決まっている。メンバーたちも撮られる方が嬉しいんだ』と怒っていました」(Bさん)
海外ファンが憤る背景には、「推し活」をめぐる経済的側面もあるだろう。チケットは数万円に達することもあり、海外からの渡航費やグッズ代を含めると1回のライブで10万円近くを使うファンも珍しくない。そのため「『元を取りたい』という心理が働き、海外では許されている撮影の権利を日本でも求めてしまうのではないでしょうか」とBさんは分析する。
スタッフに通報しても「逆恨みされるのが怖い」
しかし、こうした盗撮行為に憤っているのは、多くのマナーを守っているファンたちだ。多国籍系のK-POPボーイズグループのファンで、ライブにもよく足を運んでいる大学生の女性・Cさん(20代)はこう語る。
「周囲に撮影している人がいると、気になってライブに集中できないし、マナー違反をしていることが許せないんです。私は、一度自分の席に盗撮グループが座っていたことがあって、『ここは私の席です、チケットを出して!』と言っても『日本語わからない、私の席だ!』などと逆ギレされたこともあるんですよ。
その時はスタッフさんに報告して、自分の席を取り返しましたけど、本当に信じられないマナー違反行為が横行しているんです。以前、あるライブで隣の席の男が望遠レンズで盗撮していたので、スタッフさんに目配せして『ここにいます!』と報告したことがあります。
男は、連行される時に、周囲のファンを睨みつけて『くそ、ふざけんなよ』などとブツブツ叫んでいました。逆恨みされるのも怖いです。高いお金を払っているのに、なんでこんな思いをしなきゃいけないのか……」(Cさん)
運営側も対策を強化しているが、すべてを防ぐのは難しいのが実情なのだろう。公演中の巡回や注意喚起に加え、入場時のチェックやペナルティの厳格化など、対応は年々強化されているものの、いたちごっこが続いている。当たり前のマナーが揺らぎつつある今、ファンの姿勢があらためて問われている。