「東京23区」のマンション価格は高騰しているが、エリアによって特徴がある
東京23区内のマンション価格高騰が注目を集め、中古物件でも平均価格が1億2000万円を突破した。ただ、足元では都心の中古マンション価格に頭打ちの兆しも見え始め、不動産調査会社・東京カンテイの調査によれば、2月の都心6区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区・文京区)の平均価格は前月比で37か月ぶりにわずかなマイナスに転じた。特に高額帯では買い手の慎重姿勢が強まっているとされるが、一口に「23区」といってもエリアごとに特徴がある。
そこで今回は都心6区に含まれないが、都内屈指の人気エリアである「豊洲」を擁する「江東区」のマンション事情に焦点を当てる。東京都の東部に位置し、南側が東京湾に面した江東区について、年間200以上の物件を取材している住宅評論の第一人者・櫻井幸雄氏が解説してくれた。
江東区の「湾岸エリア」は災害に強い
「江東区は、東京メトロ東西線の沿線を中心とする昔ながらの『下町エリア』と、再開発によって発展した『湾岸エリア』の2つに大別され、特徴が異なります。下町エリアは木造住宅が多く、一般的には地震や火災などの災害リスクが指摘されやすい。一方、湾岸の埋立地には木造住宅はありませんが、埋立地が多くを占めるため“地盤が弱い”というイメージがあります。しかし、このあたりの埋立地は新しい方式で作られているため、実際は液状化なども起こりにくい。
東日本大震災(2011年)の時も、舞浜や新浦安、幕張などの埋立地エリアでは深刻な液状化が発生しましたが、江東区の湾岸エリアではほとんど液状化被害はありませんでした。また、このエリアの大部分では高さ4メートル以上の防波堤が整備されているため、津波や高波に対する不安もさほどありません。実は『災害に強いエリア』と言えるものと考えます」(以下、「」内は櫻井氏のコメント)
江戸の情緒が残る下町エリアには割安な中古マンションが散見されるというが、一方、今やウォーターフロントの人気住宅地となっている「豊洲」や「東雲」といった湾岸エリアについてはどう見ているのか。
