ビジネスにすれば野球人口増加につながる
日本全国を巻き込んでいるスポーツエンターテインメントなのに、まったくスポンサーをつけていない点も考えもの。新聞社が主催、または後援はしていますが、いわゆるスポンサーはいません。その理由は「学生スポーツだから」だと思いますが、結果的に一部の有名私立以外、つまり公立高校はお金がないから設備を整えられない。
スポンサーを集めれば、そのお金を各地域に分配し、選手が野球をしやすい環境整備に 充てることもできる。最近では、高校から野球をやってみようという子もいます。そのときにイチから用具をそろえるには非常に高額な費用がかかりますから、スポンサーからのお金で道具の寄付に充てることもできる。そうすれば、野球人口増加のためにもなります。
数十年前につくられたルールを現代になっても通し続けていることが果たして適しているのか。学生野球憲章がシーラカンス化している今、いっそのことビジネスにしたほうがすっきりして、高校野球の発展、野球人口の増加につながると思います。
「甲子園を目指さない」という選択肢
近年は、日本高等学校野球連盟(高野連)に属さない“高校野球”チームもあります。これは良いことだと思います。多様性の時代にも当てはまりますよね。
甲子園出場を目標にはしないけれど、地域で運営するクラブチームがあって、そこにき ちんとした指導者がいれば、そこで3年間体づくり、スキルアップをして、練習試合もできる。高校ではそういったところでプレーして、大学は海外に挑戦する――そういう子も増えていい。
そういった波が大きくなれば、出る杭は打たれるではないですが、規制をかけられたり するかもしれない。そうなったら我々の出番。世論に訴えていきましょう。「甲子園を目指さない」という動きは、まだ珍しい。でも、大事にしたい波だと思います。いつか将来、野球の歴史を振り返ったときに「2020年代にこういう子どもたちが増え始めた」という分岐点になるかもしれません。
1995年、野茂英雄さんがメジャーへ移籍する際にさまざまな反発を受けましたが、後年になって「野茂さんは偉大だった」という評価に変わっている。2001年にメジャーへ移籍し日米通算4367安打を放った、あのイチローさんも、2025年7月のアメリカ野球殿堂入りのスピーチで「野茂さんがプレーしてくれていなかったら……」と感謝の言葉を口にしたくらいですから、パイオニアは大事にしたいものです。