米国ビッグデータも参考に10倍株候補を探す(イメージ)
買い値から株価10倍になる「テンバガー」は投資家の憧れだが、その条件を探求した海外の実証研究がある。2009~2024年に米国市場で株価が10倍以上になった464銘柄について調査・分析した『The Alchemy of Multibagger Stocks(マルチバガー株の錬金術)』だ。この研究内容は日本株投資にどう活かせるのか。投資の達人に聞いた。
同研究がこの15年間のビッグデータを分析し、導き出した条件は、【1】小型株(時価総額が小さく、伸びしろが大きい)、【2】割安性(成長が期待されながら市場では過小評価されている)、【3】収益性(高い利益を生む能力=営業キャッシュフローなどを持っている)――というものだった。
そして最も重視すべき指標は、1株あたりの「フリーキャッシュフロー(以下、FCF)利回り」だという。FCFとは、本業で稼いだ現金(営業キャッシュフロー)から設備投資などの投資キャッシュフローを差し引いた「現金を稼ぐ力」であり、それを株価で割ったのが「FCF利回り」だ。利回りが高い銘柄ほど「現金を稼ぐ力があるのに株価がまだ割安」と判断でき、将来的に株価が数倍のマルチバガーになる傾向が強いと結論付けている。
FCFはどう確認するか
元手94万円を1年11か月で1646万円と17.5倍に増やした経験を持つ元証券マン・かぶカブキさんは、この米ビッグデータ研究の結論に対して、次のような見方を示す。
「基本的には、企業の営業利益、経常利益、純利益が伸び続けている限り、株価は上がると思っています。とはいえ、利益は資産売却など帳簿の上で作り出すこともできてしまう。そうしたことがなされていないかを確認する意味で、FCFには着目しています。
見せかけの営業利益や純利益になっていないか、企業の“本質的な稼ぐ力”の推移を確認するためにFCFも見ているということです。営業利益が急激に伸びてFCFがちゃんとついてきていれば、問題がないと判断します。業績を含めた伸びを確認する要素のひとつです」(以下、「」内コメントはかぶカブキさん)
FCFを確認する際のツールについてはこう話す。
