小ぶりな肉だんごはツマミにぴったり
青椒肉絲を素通りできない
ではさっそく、昼酒をスタートしよう。まず頼みましたのは、チンタオビール。さらりとした味わいのチンタオは、昼の1杯目によく合うようで、スルスルと咽喉を通る。その快感を楽しみながら、メニューを見渡す。テーブルのメニューのほかに壁に貼りだしてあるものも眺め渡すと、まずはその品数の多さに圧倒される。店の構えは決して大きくはないのに、すごい数。しかも、食欲をそそる料理の写真がずらりと並んでいる。
「肉だんご食べたいですねえ」
ケンちゃんの第一声である。ああ、いいねえ黒酢肉だんご。ほんのり甘酸っぱいヤツかな。中華独特の肉だんご。私も好きだ。
「肉が重なりますが、私は牛肉ピーマン細切り炒め、いってみようかな。青椒肉絲ですな」
好きなんだなあ。青椒肉絲。中華料理にはもっともっと複雑で奥の深い逸品の数々があるだろうけれど、肉、タケノコ、ピーマン、パプリカの細切りをちゃちゃっと炒めたシンプルなひと皿が、私にはいつも、輝いて見える。あまり食べるほうではないから、ひとりで中華屋さんに入って餃子も麺もとなると青椒肉絲にたどり着かないことも少なくないが、気持ちの上ではいつも、青椒肉絲の前を素通りできないのだ。
鮮やかな見た目からして食欲がそそられる
まずは肉だんごを口に放り込み、そのほのかな甘さに幸せな気分を誘発され、次に私の好きなひと皿に箸をのばす。シャキシャキの食感、濃すぎず、穏やかなのにパンチもある青椒肉絲。適度な脂がうま味を感じさせると同時に、食欲と飲み欲の両方を刺激してくれる。
「すいませーん! レモンサワーください」
さっそくサワーに突入したのはケンちゃんだ。私も遅れを取らず、レモンサワーを注文。お店の女性は、ランチタイムなのに酒を飲む私たちを迷惑がるわけでもなく、サクサクと酒を運んでくれる。
中国から来ている子なのかな。台湾かな。想像してみて、昔、蒲田界隈に来ていたころを思い出した。

