棺を霊柩車に乗せる向きは?(イメージ)
人が亡くなればほとんどは火葬、遺骨という道をたどるが、火葬の方法や埋葬の習慣は地域によって異なるため、しばしば思わぬ事態が起こりうる。前編では、関東と関西で火葬後の拾骨習慣が違うことから生じるトラブルを紹介した。後編は、火葬方式によって遺骨の状態が変わってしまう実態について、葬儀業界歴約30年、1級葬祭ディレクターの赤城啓昭氏が解説する。【前後編の後編】
火葬場によって違う“骨の残り方”
今回は東京に住む男性・Bさん(58歳/公務員)の話です。1年前、妻の父の葬儀を経験したBさんは、今度は実の母の葬儀を行うことになりました。義父の葬儀は東京23区内にある葬儀場を利用。母は郊外の葬儀場でした。葬儀が終わり、出棺の際、親族として母の棺を担いだBさんは、棺を“頭”から霊柩車に入れた瞬間、ある疑問が頭に浮かびました。
「確か、義父の時は“足”側から(霊柩車に)入れたよな?」
その後霊柩車は火葬場に到着。棺を火葬炉に収めて待つこと1時間半、遺骨を見たBさんは驚きました。思わず、人体標本かと思うレベルできれいな状態だったからです。義父の遺骨は頭蓋骨が上で大腿骨が下にあることがかろうじてわかる程度で、原型をとどめていませんでした。それに引き換え、母の遺骨は頭蓋骨から生前の顔の輪郭がイメージできるほどだったのです。
そんな母の遺骨を足元から順番に拾い、最後に火葬場の職員がリング状の遺骨を箸でつまみ上げて「これが喉仏です」と、丁寧に骨壺に収めてくれました。そのときBさんは、義父の拾骨を思い出しました。
「そういえば、義父の時は喉仏を入れた記憶がないな」
