中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

結婚相手選びで何より大切な「金銭感覚の一致」について考える

 さらには、ラーメン1杯食べるとスタンプカードにハンコを押してもらえ、3つたまると味玉がもらえ、5つたまると半ギョーザがもらえることを密かな楽しみにしていることさえ恥ずかしく感じてしまう。「人の金銭感覚は人それぞれ」というごく当たり前の事実は受け入れ、自分なりの尺度を持つべきだろう。

結婚相手を好き嫌いで選んでしまったことへの後悔

 友人であればそんなに頻繁に会うわけでもないため、これでいい。だが、これが家族ともなると、そうも言ってられない。家族の最小単位は夫婦だが、ここの金銭感覚が合わないとロクなことにはならない。漫画『美味しんぼ』で新婚当時の山岡士郎が16万5000円もするシャブシャブ用の鍋を買ってしまい、妻・栗田ゆう子がため息をつくというシーンがある。ゆう子はこれからの結婚生活が不安で不安でたまらなくなってしまう。そして、今の2人にとってはあまりにも分不相応な贅沢な鍋であり、店に返すよう指示を出すのだ。

 山岡は返しに行くことを渋々了承するが、これは、ゆう子の金銭感覚に山岡が合わせようとしたことに他ならない。その後、同作では家計の危機といった話は出てこないが、恐らく2人は金銭感覚について折り合いをつけたのだろう。

 知り合いの夫婦から似たような話を聞いた。元々男性は月収20万円だった。女性は月収25万円だった。男性はそれなりに節約する人生を送っていたのだが、結婚し、世帯収入が突然2.25倍になったことで勘違いしてしまった。途端に金持ちになったと錯覚し、金遣いが荒くなったのである。

 趣味の品を「大人買い」するのにはじまり、無駄にタクシーに乗ったりもする。かつては「家賃、光熱費、食費も含め1か月に20万円しか使えない」と考えていたのだが、「自分は20万円の自由に使えるカネができた」と考えるようになったのだ。元々消費癖はある人物だったのだが、実際にカネを目の前にするとそれを使ってしまう。妻は、世帯収入が上がったといっても、人数は2倍になったのだから、とムダ金を使わないようブレーキをかけた。

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