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キャリア
「中学受験か高校受験か」選び方のポイント

《中学受験か高校受験か》中学受験をあえてしないというメリット 日比谷などの難関都立高校受験はメリット拡大 中学受験組と比べて「中だるみ」からのリカバリーも速い

難関高校受験を経験していると中だるみしてもリカバリーが速い

 中学受験のペーパー試験で難しい問題を解くのが得意でなくても、高校受験なら「真面目さ」が評価される。こう書くと、“難問を解くのが得意な学力が高い層は中学受験に向いている”と思われそうだが、実はそうとも言い切れない。

「早慶付属や東京都立進学重点校の自校作成入試、神奈川の横浜翠嵐や湘南で実施される特色入試など、難関高校入試では非常に難しい問題を出すようになっています。その入試を中学3年生で突破することは、3年後の大学入試へ向けての強みが生じます。理科や社会も含めて5教科バランスよく学習できることも大事です」

 中高一貫校は中学高校のカリキュラムを5年で終わらせ、高校3年の1年間は大学受験対策に専念することが多い。そのため、私立校は大学受験対策に有利だといわれる。一方で中高一貫校には「中だるみ」という病が発生することもある。中学に入ると大学受験は6年後。それに向けて勉強をするモチベーションを保つのは難しく、学習習慣を失ってしまうケースも多々あるのだ。

 ある中堅クラスの大学が公表している高校別の受験者・合格者データを見ると、中学受験時点では偏差値60を超えるような難関中高一貫校の生徒でも、その大学に半数近くが不合格となっているケースがある。

 つまり、中学受験で難関校に合格したからといって、大学受験まで順調に学力が伸び続けるとは限らない。入学後に学習習慣を失ってしまえば、いわゆる日東駒専レベルの大学入試でも苦戦する可能性があるのだ。

「入学後、中だるみということは高校受験組でもありますが、15歳の時に難関高校受験を経験しているとリカバリーが速いですね」

 中学受験で中だるみをすると、中学1年から高校2年までの5年間勉強をしないことになるが、高校受験なら2年間の中だるみなので復活しやすいということだ。

 中学受験組が中だるみしないように中学から塾に通わせるケースも増えているが、そうなると私立中学に通わせているのにさらに塾代がかかる。

一部では高校受験対策の早期化の動きも

 一方で、今、小学生の高校受験対策も活発化している。23区内のある個別指導塾は生徒の半分が小学生で、そのほとんどが中学受験を予定していないという。つまり、高校入試に向けて、小学校から塾に通って基礎学力を上げようとしている。

 また、大手塾の高校受験対策の小学生コースの小学6年では、慶應義塾高校の高校入試問題レベルを扱う。高校入試の中ではべらぼうに難しいものではないが、「これを小学6年生に解かせるのか」と驚く。「中学受験に比べて高校受験は楽だ」という誤解もあるがそれは事実とは違う。どちらが子どもに合っているか、地域性、経済的な事情を総合的に分析し、どちらを選択するかしっかりと考えてほしいと切に願う。

▼▼▼前編記事▼▼▼
【はじめから読む→】《中学受験か高校受験か》中学受験では「算数が得意な子」が有利になりやすい 早慶付属校やMARCH受験は「高校入試が一番楽か」は本当か?

【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(ともに青春出版社)も話題に。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)、『東洋経済education×ICT』などで連載をしている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも更新中。

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