価格の基準については「価格は、お得意先とのコミュニケーションのもと、エリアやロケーションによっては戦略的に決めています」とのこと
コカ・コーラに聞いた価格の基準
その謎を探るべく、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社(以下「CCJC」)広報部 エクスターナルコミュニケーション課に話を聞いた。
まず、価格の基準については「価格は、お得意先とのコミュニケーションのもと、エリアやロケーションによっては戦略的に決めています」とのこと。たしかに、オフィス街と大学と飲み屋街と駅と観光地では、利用する層は異なるだろう。また、POPの設置についても戦略的だという。
「POPは自動販売機の企画チームで作成したものを、各ロケーションに応じ、担当者が装飾しています」
自販機は「24時間365日お客との接点を生み出す重要な資産」
自販機は「店舗」である。自販機のオーナーとの相談で最適な商品ラインナップと価格が決まる。その際に重要なのが、自販機から得られるデータだ。
CCJCの自販機用アプリ「Coke ON」は、対応自販機でスマホ決済をするとポイントが貯まり、15本購入ごとに1本無料でもらえる設計で、消費者が足を運びたくなる動機づくりに一役買う。“自販機離れ”なるワードが一時期話題となったが、担当者は「2030年までの中期経営計画『Vision 2030』では、ベンディング(自販機)事業は3つのビジネスユニットの一つであり、当社にとって重要なチャネルです」と言う。
3つのビジネスユニットとは、『ベンディング』『OTC(手売り)』『フードサービス』だ。2025年は減損処理を行ったものの、同社は自販機を“世界最大級の無人の小売店舗のネットワーク”と再定義し、利益基盤の再構築を行っている真っ最中。とはいえ、全体を俯瞰すれば2025年末の清涼飲料水自販機台数は195万台で、ピーク時の2014年の約253万台から約2割減少している。自販機ビジネスの将来を、どう考えているのか。
「約65万台の広範なネットワークを有する自動販売機を、その一台一台が無人の小売店舗として、24時間365日お客さまとの接点を生み出す重要な資産と位置づけています。当社はいち早くベンディング事業の変革に着手し、デジタル化やテクノロジーの活用、プロセスの見直しを通じて、自動販売機オペレーションの生産性向上や効率化に継続的に取り組んでおりましたが、昨年、それをさらに加速させました」
CCJCの中期経営計画「Vision 2030」によると、セグメント利益において2025年第一四半期のベンディング事業は、29億5000万円の損失だったが、2026年第一四半期は16億1100万円の利益となっている。
「その効果もあり、2026年第1四半期決算においては、ベンディング事業は大幅増益となり、全体の利益成長を牽引しました。Coke ONの活用や自動販売機の品揃え見直しといった成長戦略が奏功し、既存機の数量トレンドが改善しました。また、この夏より、日本No.1のエナジードリンクブランドである『モンスターエナジー』を自動販売機で取り扱いを開始することで、さらなる成長を加速させてまいります」
もし、自販機のラインナップや価格にちょっとでも惹かれるようなことがあれば、それは偶然ではなく「戦略的」に練られた結果といえるのかも知れない。
