「やっぱ大丈夫、イケる」…決済で得た「49億819万3309円」小切手
カトウは当時の心境をこう振り返る。
「物件に警察が来てると聞き、心臓がバクバク鳴った。土井会長はわりと落ち着いたトーンで『待った』をかけてきた。俺らはそれに従い、とりあえず長谷川を新宿駅で降ろして解散しようってなったんです。長谷川が偽者とバレたら、一刻も早く長谷川と離れなければ、こちら共々吸い込まれることになるからです」
カトウも長谷川も運転手も無言のまま、路駐していた西新宿の「議事堂通り」から車を急発進。ここで再び土井からカトウに連絡が入る。
「やっぱ大丈夫、イケる。地主を向かわせて」
本当に大丈夫なのか? カトウの脳裏に不安がよぎるが、土井からの「大丈夫、京プラに戻って」という言葉を頼りに再びホテル前に戻り、長谷川はカミンスカスが待つホウライビルへ向かった。
警察沙汰に発展しながらも、結局積水ハウス側は残代金の決済手続きを進めた。長谷川は「49億819万3309円」分の預金小切手を受け取る。
それらの金の一部はこの日のうちに換金された。カトウは換金に立ち会わなかったため、それが誰の手でどのように行なわれたのかわからない。しかしその日その足で向かった土井の事務所には、金が入れられた紙袋が無造作に床に置かれていた。
「事務所の机の脇に、1万円の束がギッチリ詰まった紙袋がいくつもありました。土井会長は床に置かれた紙袋ふたつを机の上に置き『お疲れ!』と報酬をくれました」