味の素はうま味調味料の代表的存在として知られる
「化学調味料」は、「化学的に作った謎の調味料」といった誤ったイメージが一部で流布され、時としてネガティブな文脈で使われることもある。実際はグルタミン酸ナトリウムという、元々食べ物に含まれるアミノ酸の一種が主成分。代表的なうま味調味料「味の素」の場合、サトウキビから作られている。この「化学調味料」という言葉はいかにして誕生したのか。味の素に話を聞いた。(全3回の第2回)
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NHKから始まった「化学調味料」という名称
同社品質保証部・久保聡氏によれば、「化学調味料」という単語を初めて使ったのはNHKだと言われているという。
「NHKは具体的な商品名を出さない方針を持っています。ですから、1960年代に我々の製品である『味の素』を『化学調味料』と報じました。当時は、化学という言葉は新しく、素晴らしいものを作り出す分野の学問として世間的にも評判のいい言葉でした。
その後、公害病が社会問題となった時代背景により、化学は公害を引き起こすという悪いイメージが広がりました。そこから派生して、化学調味料も化学的に作られたもので身体に悪いのではという誤った情報の流布につながったのではと考えています。
そうした状況を経て、スーパー、飲食店等で、『化学調味料不使用』といったマーケティングをする向きもありました。メーカーもそこを訴求ポイントとした結果、『無添加』と強調されているものが安全である、との風潮も広がりました」
