パチンコにキャッシュレス決済を導入する議論が本格化している(Getty Images)
パチンコ業界において大きな課題となっているのが、ギャンブル依存症対策だ。その一環として、パチンコホールにおけるキャッシュレス決済導入の議論が活発化している。かねてより議論の懸案事項だった“クレジットカード利用”の扱いはどうなるのか。いよいよ具体的に動き始めた“キャッシュレス・パチンコ”の最前線をレポートする。
2つの業界団体がキャッシュレス決済導入に対して意見表明
パチンコホールや遊技機メーカー、設備機器メーカーなど、パチンコ・パチスロ関連企業が参加する一般社団法人 日本遊技関連事業協会(日遊協)は5月21日、定例理事会開催後に記者会見を行い、西村拓郎会長がキャッシュレス決済導入についての考えを説明した。これまで、依存症対策としてのキャッシュレス決済導入を推進する立場だった西村会長は、依存症を助長させないためにも、クレジットカードを使ったキャッシュレス決済導入については慎重な姿勢を示しつつ、キャッシュレス化によって入出金が可視化されることが依存症対策になる可能性を強調。キャッシュレス決済導入の重要性を改めて表明した。
一方、パチンコホール関連企業が参加する全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)は5月14日に全国理事会を開催。その後の記者会見で阿部恭久理事長は、クレジットカードを利用したキャッシュレス決済について、現在のパチンコ・パチスロにおいてはふさわしくないとしたうえで、プリペイド式やデビット式といったクレジットカードを使用しないキャッシュレス決済については、時代の流れにあわせて対応していくとの考えを示した。
2つの業界団体のキャッシュレス決済導入に対する意見表明について、パチンコ・パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が説明する。
「日遊協の西村会長はキャッシュレス決済導入にかなり前向きで、今年3月の記者会見では『2027年度内でのキャッシュレス決済導入を目指している』と具体的な時期にも言及していました。しかし、全日遊連の阿部理事長は同じく3月の会見で『クレジットカードでの貸玉はしない』と明言するなど、キャッシュレス決済導入については慎重派だと見られていました。
これまでは、日遊協と全日遊連とでキャッシュレス決済導入に対する姿勢が異なっていたわけですが、今回の両団体の会見内容を見る限りでは、いずれも“クレジットカードを使わない形でのキャッシュレス決済”の導入を目指している点で共通しています。いよいよ業界全体で足並みが揃いつつある状況となり、今後キャッシュレス決済導入に向けて、具体的に動き出す可能性が高まったと言えるかもしれません」(以下「」内同)
