【2】の退会申し出では、まず退会が認められるかが問題になりますが、特に会員期間の約束はないでしょうし、もともと任意団体ですから退会に制限はありません。そして退会すれば町内会費の返還の請求ができます。もっとも退会時までに時間が経過し、その間に夫婦にも町内会の行事参加の機会など一定の恩恵があった場合は、例えば町内会が1年分の前払いとすれば、既経過分を除く将来の分を返すのが合理的です。
退会で返金しないとの規約が町内会にあったとしても返還することになります。それは町内会が法人であればもちろんですが、法人でなくても団体であり、夫婦は個人のため、入会には事業者と消費者とが締結した消費者契約として消費者契約法が適用されるからです。
退会しても納めた会費を返金しないという規約は、退会という消費者契約の解除に対する違約金と解されます。消費者契約法では、解除でその事業者に発生する平均的損害を超える部分の違約金は無効になります。新会員のために支出を伴う作業をすることになっていれば損害ですが、そうでなければ退会時期などを勘案し、それまでにかかった町内会活動費の負担分などが損害として控除され、残りは返金になると思います。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2026年7月2日号