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葬祭のプロが考える「これからの葬儀」
新たな墓地探しの難しさと最適解

「この墓の面倒を誰が見るのか?」地方出身55歳男性が直面する現実 改葬を考えても一筋縄ではいかない、気が重くなる“新たな墓地探し”の道のり

墓地を継承しても誰が面倒をみるのか…(イメージ)

墓地を継承しても誰が面倒をみるのか…(イメージ)

 東京都が2025年に実施した都政モニター調査では、「現在、自分や家族が利用できるお墓があるか」との質問に、34.1%が「いいえ」と回答した。また「お墓の引越し」である改葬の件数は、厚生労働省の発表によると2024年度に17万6105件に達し、過去最高を記録した。

 都市部でお墓を持っていない人は珍しくない。一方で、あったらあったでその扱いに悩む人も多いことがうかがえる。日常会話のなかで「お墓はいらない」というフレーズはよく使われるが、実際問題として、火葬後の遺骨については何らかの対応をしなければならない。

 今回の記事では、前編で墓地の探し方とそこで生じる問題、後編でこれらの問題を解決する新しいお墓の形のあり方について、葬儀業界歴約30年、1級葬祭ディレクターの赤城啓昭氏が解説する。【前後編の前編】

実家は地方、都内在住の55歳男性が直面した「墓問題」

 東京都内のメーカーに勤務する男性・竹下さん(仮名・55歳)の母が亡くなりました。すでに父は7年前に亡くなっており、母の葬儀は実家のある和歌山県で済ませることに。四十九日の法要後、母の遺骨は、父が眠る実家の墓地に納骨しました。竹下さんは一人息子で、その墓地を継承することになりました。

 問題はここからです。

 母は生前、定期的にお墓参りに行っていたようですが、竹下さんは東京に住んでいるため墓参りに行けるのは年に一度、お盆の時ぐらいです。竹下さんには大学生の息子が一人いますが、自分がその程度なのだから、次に自分が死んだ後、息子がわざわざ和歌山までお墓参りに行くのは現実的ではないと思い始めます。竹下さん自身、両親を弔いたいという気持ちはあるものの、実家のお墓の場所に特に思い入れがあるわけでもないのです。

 そんなあるとき、「改葬」という方法があることを知りました。要はお墓の引越しです。現在の墓地は父が購入したもので、両親の遺骨しか納められていません。現在の墓地を引き払い、近所に墓地を買って遺骨を納めなおせばいいと考えたのです。

 本屋で霊園の情報誌を買って、近所の墓地の相場を知った竹下さんはびっくりしました。一番狭い区画で100万円、実際は墓石を立てますから150万円を超えるでしょう。そこまでして関東近県にお墓を購入しても、将来息子がずっと関東に居を構える保証はどこにもありません。

「墓地が欲しいわけではないが、遺骨はなんとかしないといけないし……」

 途方に暮れる竹下さんは、なかなか最適解を見いだせずにいます。

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